一話 青堀家の七つ子
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『塩ラーメン二つとチャーハン三つ頼むよー』
『りょーかーいしましたー!!!』
昼間の青堀食堂、昼休みの時間だろうか、会社員達がいつも大勢やってくる。
その中には常連も多く、親しいとか言う話を聞いたことがあるな、となんとなく思い出した。
二階の居間にいるにも関わらず、客や妹達の大声が聞こえてくる。その声を何となく聞けば、『姉さんだってこの前こーゆー事してたー!!』だの、『私は仕事中にはしてない!お客様にも失礼だからさっさとやめろ!』だのとギャーギャー叫んでいる。
……お前ら仕事を何だと思ってる。
………いや、職業を持たない俺が言っても説得力が無いな。
諦めたように溜め息を付き、再び携帯をいじり、興味のあるニュースを探す。
同じ日に同じ両親から生まれたのに、どうしてこうも成長に差が出たか。
そう、俺達は七つ子。一卵性の、だ。
顔のパーツ、髪型のはね形や特徴、身長や体重もほぼ変わらない。
服もお揃いが殆ど。靴も一足は同じようなのを持っている。
間違えられないように、と母が付けたアホ毛か表情か喋り方か、はたまた性格か少しの服装か。
それくらいしか…いや、それぐらい違いのある七つ子。
成人も一応している。…未成年に間違われるが。
職業だってちゃんとある。…俺と五女以外は。
だが、俺には職業の代わりに五女の付き添いがある。
面倒臭いから家族の性格を省略すると、
長女の美音(みおん)は地に足が着いていないような雰囲気のメルヘナー。職業は大学生。
次女の心音(しおん)は自分の生きたいように生き、やりたいようにやる自由人。食堂は継ぎたくないらしく、看板とかの絵を描くデザイナーとかをしているらしい。
三女の菜音(なおん)は昔と違い、食べる事に目がない大食い。家の食堂で働く。…つまみ食いしてないよな。
四女の俺…真音(まおん)は、昔に家族以外の人間が信じられなくなった。それや元の性格もあり職に就けない為、家の見張りや五女の付き添いをしている。
五女の寝音(ねおん)は根っからの気の小ささや押しの弱さに加え、精神的な病気にかかり職が持てない為、ほとんどを家で過ごしている。
六女の華音(かおん)は、一番の常識人。真面目さや悩みを放って置けない奴だから、色々抱えている。あとスレとか言うやつをよくやっている。職業は三女と同じく家の食堂で働く。
七女の瑠音(るおん)は、とにかく明るい。落ち着いてない。声が大きい。精神年齢が小学生レベル。家でも食堂でも仕事でも走り回る。三女、六女と同じく家の食堂を手伝っている。
服や靴の色も、長女はピンク、次女は水色、三女は緑色、俺は藍色、五女は白色、六女はクリーム色、七女は黄緑色と決まっている。
……っと、五女がそろそろ起きるか。
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