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インビシブル
2部分:第二章
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取りそれでワコとチコが暴れるその場所にその椅子を思い切り振り下ろしたのだった。
「何があるのかわからないけれどな」
 それでもだった。本能的に己を守らなければならないと思いだった。その椅子で殴りつけたのだった。
 すると鈍い感触が伝わった。人か何か生き物を殴った感触だ。骨が折れる音がした。
 それを何度も振り下ろすとだった。自然に何かは起き上がり逃げ出そうとする。ワコとチコは逃げるそれにさらに襲い掛かる。
 それは窓を突き破った。そうしてガラスを派手に壊してそのうえで何処かに去った。何とか危機は脱したが呆然となってしまった淀だった。
 その日はそのまま仕事にならなかった。夕方まで呆然としていた。美香子が家に帰ってもそれは同じでただ荒れたままの部屋にしゃがみ込んでいるだけであった。 
 周りにはワコとチコがいる。美香子はそんな有様を見て問わずにはいられなかった。
「一体どうしたのよ」
「透明人間か?」
 こんなことを言うのだった。
「あれは」
「透明人間って」
「透明人間に襲われた」
 また言ったのだった。
「どうやらな」
「あの、一体何が」
 話の意味がわからず思わず問い返した妻だった。

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