第百二十話
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りをさす名だったと思うのだが」
「まあ、そう考えるよな。俺だってそうだと思ってたし」
今回手に入れた権能がどういう方向性になるのか。それを何となく想像してみるためにも俺は戦った神について知に富む偉大なるもので調べてみた。タケミカヅチとタケミナカタのタッグで出てきたのなら鋼の権能だから期待できるなーと考えてのものだったのだが、それはなさそうな結果を得てしまっている。
「戦ったから当然あの神を見てるんだが、あの二神と今回俺が戦ったやつはさすがに見た目が違いすぎる。その線はさすがにないと思っていいだろうな」
「えっと、つまり風神雷神って神格として出てきたってこと?」
「そう言うことだ。権能使ってざっと調べてみたが、カニシカ王が治めてたって言うクシャーナ朝ではでっかい袋を持って走る風神を描いたコインがあったらしいし、壁画なんかの類でも『風神雷神』として描かれる。力士っぽい、鬼っぽい像だって日本では作られてるしな。そう考えれば、あの神は『風神雷神』っていう独立した神格だとも考えられる。風神を祀るお祭りも奈良県にはあるっぽいし、ちゃんと信仰も残ってるんだろ」
そして、信仰がまだそれだけ残っていればその姿でまつろわぬ神が現れることもある。護堂がこの間戦ったランスロットや俺が戦ったヒルコみたいな『この時代に降臨すればもうあの姿ではありえない』タイプの神とは逆に、『現代においてある信仰から降臨する神』というのもあり得る、ってことだろう。風神雷神が描かれた扇子ってのもかなりの頻度で見るし。
「で、まあ風神雷神らしく雲の上から雷落として暴風吹き荒らしてだったんだ。広い範囲で逃げ回りながら戦って結果被害が無茶苦茶でかくなっても仕方ない」
「だからと言って五重塔を投げ飛ばし、鳥居を投げ飛ばし、などしなくてもよろしいでしょう!」
「あそこまで武器を届けるとなると大きさとか重量とかが必須なんだよ」
「即席工場でお造りになってください!」
「これ見よがしに武器なんて作ってみろ。距離もあるんだから、『さあ撃退する準備を整えてください』っていうようなもんだろ」
「そ、それは・・・」
よし、超無茶苦茶な理論だが何とか丸め込めるかもしれない。
「って、待て武双。それが通用するのは初回だけじゃないのか?」
「チッ・・・」
「今舌打ちしたよな!?」
「なーんでお前が攻める側なのかね・・・どう考えても、お前は説教される側だろ」
「そ、それは・・・」
「護堂さんについては普段から十分に言わせていただいてますから」
「・・・尻に敷かれてるんだな」
ちょっと同情してしまった。まあ、うん。破壊したものの文化的価値の合計でも範囲でも今回の俺の一件だけで圧勝できそうだけど。ここまでぶっ壊
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