第百二十話
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お、おい万理谷?」
さらっと巻き込まれた護堂が冷や汗をかきながら口を挟む。事実だからかこれ以上は言ってこないみたいだけど。
「他の王たちも皆、神々より簒奪なされた権能を使うごとに大きな被害を及ぼしております。サルバトーレ卿の絶対切断、ヴォバン侯爵の魔眼、ええその被害を考えるだけでも恐ろしいです。ですが・・・ですが!」
と、そこで祐理は右手を伸ばして周囲一帯を示す。そこに広がるのは、俺が死ぬ直前に薫に報告したとおりの荒れ地。見渡す限りどこまでも、ガレキしかない。
「ここまでの被害がなされることが、他にありましたか!?」
「奈良県の全ての建物が壊れて地面に超でかいクレーターが一つに小さいのが大量に広がってる。まつろわぬ神が殺せなかった場合を想定すればまだ小さいだろ!」
『そう言う問題じゃないだろ!』
「デスヨネー」
もはや魔王への恐れも敬意もなく(護堂は最初っからなかったが)、この場にいる全員が口をそろえてそう言ってくる。
「でも!避難が完了するまではどうにか持ちこたえたんだからそこは評価してくれよ!」
「今後その人たちはどのようにして暮らすのですか!」
「ファイト、正史編纂委員会。今回の報酬はいらんから頑張ってくれ。ペガサスは今回酷使しすぎて機嫌が悪いから無理だが狸は大量に貸し出せる。野菜や果物、米とかの無限提供もするし、ガレキだって全部片づけるから」
「そう言うことではありません!」
うーむ、むしろ自分の手で壊したものについて魔王が手を貸すなんて中々ないと思うんだが・・・誰に何と言われようと、俺は今回の被害は避けられなかったものだと思うし。
「なあ、武双。ここまでの戦いになったってことは、相手は鋼の神格だったのか?」
と、護堂が一気に話題を変えてきた。これ以上お説教を続けても意味がないと考えたのか何なのか、まあ何にしても助かった。そう考えた俺は、その話題に乗っかる。
「そうだな・・・一応、アイツらが鋼の神格を持ってた可能性はある」
「確実じゃないのか?」
「はっきりとは断言できないな。あの神については鋼の神格を当てはめることもできるが、あの感じだとそれはないだろうし」
「何を言っているのか全く理解できないのだけれど・・・結局、どの神が降臨なされたのかしら?」
と、俺が告げていたらエリカがそう尋ねてくる。そう言えばまだ今回出てきた神が何なのか言ってなかったな・・・そりゃ、俺が何を言ってるのか分からんだろう。
ってか、なんでわざわざ護堂チーム五人総出できてるのか・・・あ、捜索対象が神殺しだからか。
「今回出てきたのは、日本人なら誰でも知ってるレベルの神様だよ。風神雷神だ」
「・・・私の記憶では、その名はタケミナカタとタケミカヅチであったり天神だった
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