Fate/stay night
1145話
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モグリの魔術師である以上、アインツベルンに関しては殆ど知らない筈だ。
……ああ、いや。違うか。
以前教会の帰りにイリヤと会った時、何だか衛宮に執着しているように感じられた。
多分、その辺に何かあったんだろう。
「聖杯戦争で負けられないというのは、こちらも同じよ。自分達だけだとは思わないでね」
「……イリヤを殺させる訳にはいかないんだ。頼む、ここで退いてくれ遠坂」
「……イリヤスフィールを?」
うん? てっきりバーサーカーと戦いに来たんだと思ってたけど、違うのか?
『何だか訳ありみたいだけど……どうする?』
『どうするって言われてもね。私達だって、ここであっさりと引き下がる訳にはいかないでしょ?』
『まぁ、それは確かに』
こっちとしても聖杯を欲しているのは事実だ。
もしかしたら……本当にもしかしたらだけど、綾子の半サーヴァント化を元に戻す事が出来るかもしれないし。
「悪いけど、こっちとしても退く訳にはいかないのよ。衛宮君達に退く気がないのなら、ここで白黒付けるしかないでしょうね」
出来ればセイバーとバーサーカーとの連戦は避けたい。
それは事実だが、向こうが退かない以上は戦いになってもしょうがないだろう。
最悪、ここでセイバーを倒して今日は一旦帰って、明日再び……という方法もあるのだから。
セイバーとしても同じ思いなのか、構えている見えない剣をいつでも振るえるように準備している。
「待て! 待ってくれ! ここで俺達が戦っても意味はないだろ!?」
「何故? 私と衛宮君が聖杯戦争の参加者である以上、この戦いには大きな意味があるわ。聖杯戦争という真っ当にして、最大の意味がね」
「だから! 頼むから少し話を聞いてくれ! ……遠坂、頼む。ここは俺に任せて退いてくれないか? 今は理由を説明出来ないけど、後で絶対説明するから」
必死の形相で告げてくる衛宮だったが、凛は懐から出した宝石を構えて首を横に振る。
「答えは否、よ。私達は今日バーサーカーを倒す為にここに来た。そうである以上、ここで退く訳にはいかないわ」
「ふーん……私のバーサーカーを倒すつもりなんだ。もしかして、この前の戦いで調子に乗らせちゃったのかしら?」
不意に森の中から聞こえてくる声。
その声が誰の声なのかというのは、1度会っただけの俺でも分かった。
そして、事実姿を現したのは俺が予想した通りの人物。
即ち、イリヤスフィール。
優雅に微笑んでいる……つもりなんだろうが、まだ子供という事もあって子供が無理して背伸びしているようにしか見えない。
こういうのを何て言うんだったか。おしゃま?
「あら、そっちから出迎えを受けるとは思ってもいなかったわ。随分と礼儀正しいのね」
「え
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