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相模英二幻想事件簿
File.1 「山桜想う頃に…」
T 4.9.AM11:43
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戻るだけならば、日の高さも未だ充分にある。今日は快晴で暖かく、とくに厚手の上着を着込む程じゃない。
 なのに…桜庭さんの言葉は、私達の戻りが遅くなることを示していた。
「あれ、女将さん言わなかったんですか?てっきりあちらで夕食を召し上がる算段でお支度されてるとばかり…。」
 私達はきょとんと目を丸くしてしまった。そんなこと、女将は一言も言ってはくれなかったのに…。
「あの山桜の下で、夕食を頂けるんですか!?」
「はい。時刻になりますと、旅館からあちらの方へ夕食が運ばれる様に既に手配済みです。未だ時間も御座いますので、僭越ながら軽い食べ物とお酒もご用意して御座います。今日は花見には良い天気ですので、それで女将さんも櫻華山へ行かれることをお薦めしたのでしょう。」
 この桜庭さんの答えに、三人のテンションが上がった。
「花見だ!」
 三人して顔を綻ばせ、歳に不相応なはしゃぎ方をした。まるで学生に戻った気分だったが、桜庭さんは苦笑いしているしかなかったのだった…。




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