case.6 「闇からの呼び声」
T 12.5.AM8:11
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われ、かなりの重症を負わされている。その傷痕が…何か大きな獣の爪痕の様で、骨が見える程の深さだったそうだ。
「しかし…その話は警察の領分では?」
「無論、警察も動いている。だが、さっぱり収まらなんそうだ。その上、神父の一人が教会の地下で消息を断ったとのことでな。それでお呼びが掛かったと言うわけだ。」
俺はあることを思い出し、目を細めて宣仁叔父に言った。
「あの教会の地下って…。」
「そうだ…悪魔を封じたとされる場所だ。まぁ、四百年以上も前に惨殺された領主の墓があるだけで、他に何があるわけでもないんだがな。」
俺は溜め息を吐いた。ここで話ていても埒が明かないため、俺は宣仁叔父と共に直ぐに聖アンデレ教会へと赴くことにした。
外は生憎の雨。さして大降りと言うほどではなかったが、些か不気味な何かに支配されているような…そんな重苦しい空気が辺りを包み込んでいるように感じた。
聖堂を出て車で40分程の所に、その聖アンデレ教会はあった。意外と町中にあり、家もあれば店や学校もある。これと言って変わった所はなかった。
「こんな平穏なところで…。」
俺がそう呟くと、叔父も「そうだな…。」と返したが、その後に続く言葉は無かった。ただ無言のまま教会へと入っていったため、俺も黙って後に続いた。
中へ入ると、そこには警官らしき人物が数名訪れており、神父となにやら話していた。
「…では、シンクレア神父はワインを取りに行ったまま戻らなかったと?」
「はい。前にも申しましたが、彼はそう言ってワイン倉庫へ行ったまま…戻ってこなかったのです。地下には食堂を通らねばならず、シスター・マグダレーナが地下へ行くシンクレア神父を見たのが最後なのです。」
「しかしですなぁ…我々が調べた限りでは、ここの地下に抜け道や隠し扉などはなく、あるのはワイン倉庫と物置、そして地下墓地くらいなもの。そこでどうやって行方不明になると?」
「それを突き止めてほしいのはこちらです。ミサすら放って出て行く方ではないのですから。」
どうやら…例の件を話しているようだ。俺と宣仁叔父はその会話を暫く聞いていたが、ふと神父がこちらに気付いて会話を切った。そして警官らしき人物に「お話はまた後程。」と言った後、俺達の所へと駆け寄って来たのだった。
「宣仁殿、お待たせしたようで申し訳ありませんでした。どうやら今の会話をお聞きになられたようですね…。」
「悪いとは思ったが、聞こえてきたものでね。」
どうやらこの二人、知り合いらしい…。二人は少しばかり話をすると、俺の方へと振り返って言った。
「こちらが甥の京之介・エマヌエル・藤崎氏ですね。」
「そうだ。前にも言ったが、音楽の腕は保証するよ。」
そう言われ、俺は失礼のないよう自己紹介をすると、神父も続いて自己紹介をしてくれた。
「私
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