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ドリトル先生の水族館
第八幕その十二

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「どうしてもね」
「やっぱりね」
「あの水族館ではそこにいる生きもののぬいぐるみも売ってるけれど」
「肺魚はないね」
「鰻はあるんだけれどね」
「同じ細長いお魚でも」
「彼等はあるけれど」
 それでもというのです。
「肺魚君達のものはないよ」
「残念というかやっぱりだね」
「やっぱりなんだね」
「それは人気ないよ」 
 それが当然だとです、王子も言います。
「だって変な形で泥だらけで食べても美味しくない」
「揃ってるから」
「だからそれも当然だよ」
「何か王子も肺魚あまり好きじゃないんだね」
 トミーもここで気付きました。
「そうなんだね」
「嫌いかというとそうでもないけれど」
「けれどどうして先生に聞いたのかな」
 トミーは野菜の佃煮を食べながら王子に尋ねました。こちらもトミーが作ったお料理です。お醤油とみりんが効いています。
「肺魚のことを」
「ここの水族館の肺魚は僕の国から贈ったものなんだ」
「だからなんだ」
「大丈夫かどうか聞いたんだ」
「王子の国のお魚だからだね」
「他にも色々な生きもの贈ってるよ」
 王子はトミーにこうも言いました。
「水族館だけじゃなくて動物園にもね」
「そうだったんだね」
「それで肺魚もだけれど」
「皆健康だったよ」
「それは何よりだよ」
 笑顔で頷いた王子でした、肺魚さん達が健康だと聞いて。
 そして鮭のお刺身を食べつつです、こうも言いました。
「生で美味しいお魚を食べられるのはいいね」
「王子お刺身好きだね」
「お寿司も好きだよ」
 そちらもというのです。
「好きだよ」
「そうだよね、ただ新鮮で虫には気をつけて」
「そうして食べないとね」
「お刺身はね」 
 先生もそのお刺身を食べつつ言います。
「僕も大好きだよ」
「日本に来てからそうなったね」
「そうだよ、お刺身は本当に最高だよ」
 こう言いながら実際にお刺身で御飯を食べる先生でした、そのお顔はとてもにこにことしているものでした。
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