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ドリトル先生の水族館
第八幕その八

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「日本に来てね」
「そうよね、それじゃあ」
「東北にも行って」
「そしてタキタロウもね」
「実際にその目で見たい」
「そうなのね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「だから行きたいよ。ただタキタロウを食べるとなると」
「食べられるの?本当に」
「タキタロウって」
「先生さっき言ってたけれど」
「実際にはどうなの?」
「食べられるのかしら」
「どうかな」
 先生は首を傾げさせて応えました。
「実在が確かめられたら天然記念物になる可能性が高いからね」
「天然記念物になったら」
「もう食べられないから」
「それじゃあよね」
「食べられないね」
「そうなる可能性が高いからね」 
 だからというのです。
「タキタロウは食べられないかもね」
「実際にいるかどうか」
「そのことも問題だけれど」
「タキタロウがいるかどうか」
「そのこともだね」
「うん、まあとにかくタキタロウについては」
 ここで先生達はそのタキタロウについてお話しました。
「実際にその池で八十センチ位の魚が捕まってるからね、何度も」
「じゃあいるんだ、タキタロウ」
「間違いなく」
「そう、いる可能性は非常に高いんだ」
 実在は、というのです。
「どうやらね、ただ個体数は」
「少ないんだね」
「それもかなり」
「そうなんだ、だからこそ幻の魚と呼ばれているんだ」
 先生は皆にそのタキタロウについて書かれている壁の文章も見せつつお話しました。
「いることはいてもね」
「見つかることが少ないから」
「いることは間違いなくても」
「それでもなんだね」
「凄く少ないから」
「そうだよ、あとタキタロウがいる場所は正式にはお池だよ」
 湖というよりは、というのです。
「そこは大きなお魚がいられる場所でね」
「それでなんだ」
「タキタロウもいられるんだ」
「大きなお魚も」
「そうなんだね」
「それでなんだ。もっともタキタロウは個別の種類かというと」
 タキタロウという種類かといいますと。
「また違うみたいだね、今知られているお魚の大型の可能性が高いみたいだね」
「新種のお魚じゃなくて」
「ただ大きいだけなんだ」
「そのお池が大きくなるお魚がいられる場所で」
「それでなんだ」
「そうみたいだね、まあ詳しいことはまだよくわかっていないけれど」 
 先生はタキタロウについての説明を読みつつ皆にお話します。
「いることは間違いないよ」
「そうなんだね、けれど」
「確かなことがわかったら天然記念物になるかも知れない」
「天然記念物は迂闊に進められないから」
「だからなんだ」
「先生も食べられないかも知れない」
「タキタロウは」
 動物の皆もこの辺りの事情がわかりました。
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