第7話「にゅうぶ」
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帰りなさい。あら?荷物は?」
「隣の部屋に置いてきた。」
若狭がバッグについて聞いてきたのでそう答えておく。
「そろそろ由紀ちゃんも起きてくるし、朝食を作るわね。」
「と言っても、レトルトだけどな。」
「もう、そう言う事言わないの。」
女性ばかりだからか、こんな状況でもほんわかとした雰囲気がある。...いや、こうでもしなければやってられないって事か...。
...などと、思っていると。
ガラッ
「みんな、おっはよー!」
「あ、由紀。」
扉が開き、猫を思わせるような帽子を被った桃色の髪の少女が入ってきた。
「(なるほど、彼女が丈槍由紀か...。)」
「あれ?知らない人がいる。」
ふと俺に気付き、首を傾げる丈槍。...なんか、危なっかしい“眼”をしてるな...。
「俺は工藤遼。三年B組の生徒だ。君が丈槍由紀だね?」
「わっ、同級生だったんだ!もしかして、新入部員?」
...本当に今起きている状況を認識していないんだな...。
「うーん..まぁ、そうなるかな。」
「へー!..あれ?じゃあ、なんで制服じゃないの?」
「あっ....。」
丈槍の疑問に恵飛須沢が“しまった”というような声を上げる。
...そうか。普段通りに認識しているなら、制服じゃない俺は少しおかしいな。他の二人は制服。先生は制服的な服装は必要ないからな。
「あー...ちょっとやらかして服を汚してしまってな。偶々持ってたこの服で代用している。ちゃんと許可は取ってあるよ。」
「あっ、そーなんだ。」
適当に理由を考えて答える。...これで納得するのか。
「....あれ?めぐねえ、髪切ったの?」
「「っ.....。」」
「え?えっと....。」
ふと丈槍が呟いた疑問に、若狭と恵飛須沢は動揺し、先生は戸惑った。
「そ、そうなの。やっぱり、子供っぽいかなって...。」
「えー?私は長い方も好きなんだけどなぁ...。」
何とか先生が言い繕い、誤魔化す。
「ゆ、由紀ちゃん、もうすぐ朝食ができるから座って座って。」
「あ、はーい。」
そう言って丈槍はパイプ椅子に座る。ちなみに俺は新しくパイプ椅子を取り出して空いている所に座っている。
「はい、おまたせ。」
そう言って若狭は朝食となるレトルトのスパゲッティを人数分置く。
「いっただっきまーす!」
「(スパゲッティと乾パンか...パスタの量も節約しているし、ちゃっかりしてるな。)」
サバイバルは素人だろうけど、節約はしっかりしている。
「って、食うの早っ!?」
「.
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