第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
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〜ホッホ峡〜
それは、丁度 カスタムのメンバー達が休息をしていた時の事だ。
清十郎は 周囲の情報。地形的情報もそうだし、万が一 ヘルマン側の連中がこちら側に来ていないかどうか、その警戒をしていた時。
「ったく……兄さんは一体どこに……っ」
とある少女が、ジオの町からホッホ峡まで来ていたのだ。それも単独、更にはヘルマン軍の特徴的な黒の鎧。少女故に その大きさは男達に比べたら圧倒的に小さく そして 機動性に重視しているのか、軽装備だ。
彼女は セピア・ランドスターである。
この場へと来ている理由は、その独り言の中にある様に、兄を探して、である。
色々な意味で迷惑な兄ロバート・ランドスターを捜す為である。
いつも悩みの種である兄は、中隊長の地位だと言うのに、お荷物にして爆弾。それに由来する原因でもある軍規違反、そして何より独断専行の常習だ。ホッホ峡を迅速に超える為 そして 万が一にでもリーザス側と遭遇したとしても、抑えるべきポイント。山に挟まれたこの場所で何処に配置をすればよいか、地形情報を実際に現場にいき、確認する。と言う事でロバートは 出て行ったのだ。
更に言えば、先の戦い。レッドの町での戦いの傷が全くと言っていいほど癒えていないのにも関わらずの行動。……異常なまでに打たれ強い男だったりもする。散々他の中隊長達に詰られたセピアだった。汚名返上、とまではいかないが、これ以上な奇天烈な行動を止める為に動いているのだ。
そして勿論、ロバートは側近に兵士等をつけていない、完全な単独であり、小脇にポリタンクを抱えて、更にはいつもどおりのブリーフ1枚、……非常に目立つ格好で、だ。
「もう少し行けば、レッドよりになるわね……。周囲に注意しつつ、兄さんを探さないと……」
セピアとて、この場所の重要性はよくわかっている。この場所を超えなければ、ジオの町にまでは行けない。……厳密には行けない訳ではないが、開拓のされていない獣道の様な道しかなく、時間がかかりすぎるのだ。通常のルートを使用する場合を比べたら、3~4倍はかかるだろう。……開拓されていない道、と言うものは 必然的にモンスターも多く、その強さも、街道のモンスターよりも遥かに増すのだ。それが時間がかかる理由の1つでもある。
――そして、セピアの不運はここから始まった。
それは、この場所に来ているのがセピアだけではない、と言う事である。
そして そちら側も単独行動であり、気配を察知するのが著しく困難だという事。……更に言えば 隠密を主としていないのにも関わらず、様々な歩法をマスターしており、様々な応用力の効く手練である事だ。
「っっ!!??」
突然、だった。冷徹な気配が背中を貫いた
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