第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
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題はまだあるのだ。セピアの単独行動は殆ど独断らしく、兄であるロバートを探し出して、連れ帰る事を目的としていたから、単独行動の理由も 軍のトップには伝えてないらしい。
つまり、突如中隊長の補佐、そしてロバートが帰ってきていなかったら、中隊長も 行方不明と言う事になる。一般的な雑兵であるのなら、ものの数にしない可能性があるが、中隊長クラスとなれば、話は別だろう。
「作戦を変えてくる。……と言う可能性も高いですな。作戦が漏れているかも知れぬと」
「そうですね」
バレスを中心に今後の策を練る。
ランスは、それを訊いて大笑いだ。
「がははは! これだから、頭の固い老人は困る」
「む? 何か策があるのでしょうか?」
ランスのいつも通りの暴言だがさして気にする事もなくバレスは視線を移した。自然と全員の視線がランスへと集まる。
「簡単だ。セピアちゃんを解き放って、相手に嘘の情報を流せばいい。ま、まだ本番が出来てないから、逃がした後に、もう一度捕えて美味しく頂いてやるがな。がははは!」
「……はぁ。相変わらず卑怯な……」
隣で訊いていた かなみもため息を吐いていた。
「ふむ……」
エクスは、腕を組んだ。そして、その隣に控えているハウレーンも口を開く。
「騎士道的には同意しかねますが、物量の差もあります。……エクス将軍」
「はい。ですね」
エクスは頷く。それと殆ど同時だった。ユーリも答えた。
「確か、情報魔法で 記憶操作の魔法があったよな? ……難易度は高そうだが 頼めないか? この際だ。使える物は何でも使おう。……相手側に魔人がいる以上、フェアなんて言葉は存在しないだろう」
ユーリの言葉に、エクスは頷いた。
「僕も、同じ意見ですね」
「私も、お手伝いします。確かに難易度が高い情報魔法ですが、2人以上いる事で、補佐する事でその難易度は下がりますから」
真知子もゆっくりと手を上げてそういった。
正直、気が引けると言えばそうだ。セピアは さして自分と変わらない歳の女の子だから。その彼女の記憶を弄るのだから。でもこれは戦争だ。情けを掛ける訳にはいかない。敵側も殺す気で来ているのだから。
……カスタムでも、仲間達が沢山傷ついたのだから。
「……必要最低限だけで良いから、宜しく頼めないか。真知子さん。……オレ達に捕まった、と言う記憶。そして リーザス側の作戦。その2つを集中的に。……良い気分はしないと思うが」
それを訊いて、真知子はやや驚いた。
真知子自身も思っている。つまり、自他共に認めている事なのだが、真知子は、あまり感情が表情に出なさないポーカーフェイスだけど、ユーリにはバレてしまっていた様だ。
「ふふ。ユーリさんの前では隠し事は出来な
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