暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
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ドの町で オレの仲間が蹂躙、強姦されかけたんだ。それも戦闘兵士じゃない。一般市民だと言っていい。……そして、どちらにも属せず、戦争そのものを嘆いているシスターも襲おうとしたんだぞ」
「なっ……」

 言葉に詰まってしまうのは セピアだ。セピアの所属している第3軍は精鋭中の精鋭部隊。騎士道を重んじる者達ばかりであり(兄は例外だが)、その様な事をするとは思えなかった。

「……マリアも、そちら側の大隊長。ヘンダーソン、だったか。そいつに襲われかけた。護身用のアイテムを持たせていたから、助かったが……。それでも捕虜に対する尊厳など、ヘルマン側が語れると思うのか?」
「……そ、それが、お前のでまかせじゃない、とどう証明を……っ」
「まぁ……確かに 証拠は? と言われたら出せないな。……全て斬って捨てたから(・・・・・・・・)

 ユーリは、軽く首を振る。
 その《斬って捨てた》と言う部分にも明確な殺気が混じっており、更に威圧を受けてしまうセピア。この男が言っている言葉は全て本当なのだろう事は、薄々感じていたのだが、それでも 認めたく無かったのだ。

「あー、それ ほんとよ。なんなら、証拠みる?」

 そんな時だ。突然、もう1つの声が聞えて来た。
 セピアは驚き、ユーリの後ろにいる人物を見た。ユーリ自身は軽くため息をしつつ、振り返った。

「ロゼ……。いつの間に来てたんだ? ってか、さっき『負傷者の手当でがっぽがっぽよ〜♪』とか言って離れてかなかったか?」
「いや〜、こっちの方が面白いって思っただけよ? ユーリが幼気な少女を苛めてないか、をみる為にもねん。後で志津香をからかういいネタ探しってのもあるわ」
「……程々にしてくれ。志津香の足技は理不尽なんだから」

 ため息を吐きながら会話を続けるユーリ。完全に置いてきぼりを食らってしまったセピアだったが、直ぐに気を引き締め直した。

「しょ、証拠があるというのか!?」
「ええ。ほら、ここに」

 セピアに向かって放り投げたのは1枚の紙だ。どうやら、手紙の様だ。

「そっちの隊長さんの字とサインだし〜、それくらいは判るわよね? 仕官さんであればさ? 筆跡鑑定しちゃってよねー」
「っ……こ、これ……」
「……なんでロゼが持ってるんだよ」

 ロゼが放り投げたのは、ヘンダーソンが何通も何通も……マリア宛に大量に送りつけてきた物。あのラブレターだ。

「合計で1099通だったんだけど〜、面白そうなネタになるかな? って思って1枚拝借してたの。ま、私宛じゃないし〜。持ってる分は問題ないけどね〜」

 ロゼはあっけらかんとそう言う。まるで怪文書の様に びっしりと敷き詰められた文字は、読んでみると吐き気を催してしまう程だ。万が一にでも この宛先が自分であったら
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