第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
[6/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いるのだ。圧倒的なあの兵器(チューリップ3号)のインパクトのせいもあり、薄れてしまうかもしれないが、あの戦場で、あれだけの数の兵士達を屠った姿は 忘れたくても忘れられる筈もない。……自分自身の兄の奇襲攻撃を未然に防いだ男でもあるのだから。
そう、この場に現れたのはユーリだった。そして、その後ろにはもう1人控えている。
「ああ、少し待ってくれ……ん」
眠っているランスに手をかざすユーリ。勿論 幻覚魔法を掛ける為にだ。邪魔された、と思われても厄介だし、別段助ける義理は特にないのが実情だが、ランスが行為を始めたら どれだけ時間がかかるか判らないのだ。
「終わったよ。シィルちゃん。ランスを頼めるか?」
「あ、はい。判りました」
傍にいるのはシィルだった。
何時もの事であり、ランスが行為をする時は部屋の外で待機させられている。流石に一緒にされてしまうのは、恥ずかしいからシィルは外へ出る方を選ぶのだ。……当然、複雑な想いは拭えないから、ユーリにとっても感謝をしている。
「っとと、ランスを運ぶの手伝おうか?」
「あ、いえ。大丈夫です。ありがとうございました。ユーリさんっ」
にこりと笑いつつシィルはランスをしっかりと支えながら背負う。
いつもいつも、多くの荷物を運ばされている事もあり、彼女もそれなりに力持ちである。魔法の力で身体能力をあげていると言う面を考慮したとしても、だ。
シィルは、そのまま 笑顔で眠っている。いや、いやらしい顔で眠っているランスを背負ったまま、この部屋から立ち去ったのだった。
「……さて、これで話が聞けるな。……っと。悪かったな。うちの馬鹿が」
ユーリは、あられもない姿になっているセピアに自身のローブを着せつつ、鎖を解いた。
自由になったセピアは、ずらされた下着等を素早く戻すと、身構える。
「お、お前は私をどうするつもりだ……!?」
その顔は明らかに恐怖が現れていた。清十郎に捕まったからだろう、とユーリは推察。その上でランスに襲われかけたのだから、それに如何に軍人であっても、少女なのだから。
「なに。少し話を、な。……ああ、その前に 1つ、言わせてもらうがな。セピア」
「なに。……っっ!?」
ユーリの表情は険しく、そして 怒りの表情へと変化していく。その威圧感を受けたセピアは、おもわず仰け反りそうになっていた。
「お前は、捕虜の扱いが、国際条約等を謳っていたが、ヘルマン側はどうだと言うんだ? ……天地神明に誓って、何もしていない、と言えるのか?」
「も、勿論だ。我々は誇り高きヘルマンの……っっ!」
即答をした所で、今度はセピアに直接殺気を飛ばした。目も釣り上がり、射殺すと言わんばかりの眼光をつきつけられる。
「……レッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ