暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
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いるのだ。圧倒的なあの兵器(チューリップ3号)のインパクトのせいもあり、薄れてしまうかもしれないが、あの戦場で、あれだけの数の兵士達を屠った姿は 忘れたくても忘れられる筈もない。……自分自身の兄の奇襲攻撃を未然に防いだ男でもあるのだから。
 そう、この場に現れたのはユーリだった。そして、その後ろにはもう1人控えている。

「ああ、少し待ってくれ……ん」

 眠っているランスに手をかざすユーリ。勿論 幻覚魔法を掛ける為にだ。邪魔された、と思われても厄介だし、別段助ける義理は特にないのが実情だが、ランスが行為を始めたら どれだけ時間がかかるか判らないのだ。

「終わったよ。シィルちゃん。ランスを頼めるか?」
「あ、はい。判りました」

 傍にいるのはシィルだった。
 何時もの事であり、ランスが行為をする時は部屋の外で待機させられている。流石に一緒にされてしまうのは、恥ずかしいからシィルは外へ出る方を選ぶのだ。……当然、複雑な想いは拭えないから、ユーリにとっても感謝をしている。

「っとと、ランスを運ぶの手伝おうか?」
「あ、いえ。大丈夫です。ありがとうございました。ユーリさんっ」

 にこりと笑いつつシィルはランスをしっかりと支えながら背負う。
 いつもいつも、多くの荷物を運ばされている事もあり、彼女もそれなりに力持ちである。魔法の力で身体能力をあげていると言う面を考慮したとしても、だ。

 シィルは、そのまま 笑顔で眠っている。いや、いやらしい顔で眠っているランスを背負ったまま、この部屋から立ち去ったのだった。

「……さて、これで話が聞けるな。……っと。悪かったな。うちの馬鹿が」

 ユーリは、あられもない姿になっているセピアに自身のローブを着せつつ、鎖を解いた。
 自由になったセピアは、ずらされた下着等を素早く戻すと、身構える。

「お、お前は私をどうするつもりだ……!?」

 その顔は明らかに恐怖が現れていた。清十郎に捕まったからだろう、とユーリは推察。その上でランスに襲われかけたのだから、それに如何に軍人であっても、少女なのだから。

「なに。少し話を、な。……ああ、その前に 1つ、言わせてもらうがな。セピア」
「なに。……っっ!?」

 ユーリの表情は険しく、そして 怒りの表情へと変化していく。その威圧感を受けたセピアは、おもわず仰け反りそうになっていた。

「お前は、捕虜の扱いが、国際条約等を謳っていたが、ヘルマン側はどうだと言うんだ? ……天地神明に誓って、何もしていない、と言えるのか?」
「も、勿論だ。我々は誇り高きヘルマンの……っっ!」

 即答をした所で、今度はセピアに直接殺気を飛ばした。目も釣り上がり、射殺すと言わんばかりの眼光をつきつけられる。

「……レッ
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