第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
[3/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
? ああ、清か。お疲れ すまなかったな。色々と気を使わせて」
「いや。構わない。オレは ヤリたい様にやっているだけだ」
軽く会釈をし合うユーリと清十郎。
清十郎が町を出てから、大体2時間は経っている。何か進展があったのか? と思い訊こうとしたら、察した様に先に清十郎は言った。
「収穫は得た。恐らくは ヘルマン側の仕官であろう者を捕らえたからな」
「……本当か? まさか……ジオにまで行ってきたのか?」
「いや、違う。ホッホ峡の地理的条件を色々と確認、再確認をしていた所に、鉢合わせたんだ」
「……単独で?」
「ああ」
清十郎の言葉に、やや 顔をしかめるユーリ。仕官。それなりの地位の持ち主が単独でその様な行動をするだろうか? と思えたのだ。
「恐らく、間違いないぞ。ユーリ。疑問を感じている様だがな。以前、レッドの戦いの時に、逃げられた女騎士だ。チューリップに、爆弾で自爆覚悟の奇襲を仕掛けてきたカミカゼ特攻男と共にいたのを覚えている」
「ああ。……アイツ、か」
ユーリは何処となく、理解出来る気がした。
レッドの町での一戦が終了した後、当然だが死亡した兵士達を葬った。骸をそのままにしておくのも有り得ないし、晒し続けるのも同様だ。リーザスにとって、突然の奇襲、それも魔人の力を使っての奇襲を受け、遺恨の強いヘルマン軍だが、死すれば 皆同じだから。
幸いな事に、見送る事を職としている教会のシスターも複数いる為 滞る事は無かった。……真面目にしていたのはセルだけだったが。クルックーももう少し早くに合流してくれれば、セルの負担が、と思えたのは とりあえずご愛嬌だ。
そして、その戦死者達の中に、例の男はいなかった。
あの爆発の中、あの黒焦げ状態ででも生きていた様なのだ。
「成る程、大体その関係と言うか、成り立ちと言うか、想像がついた。……あの男の発想は、色々と奇抜と言っていい。そして 戦場だと言うのに、装備もはっきり言っておかしい。……アレを常日頃しているとしたら、……随分と、振り回されているんじゃないか? その女騎士とやらは」
「的確な分析だな。御明察だユーリ。あの男は、女騎士の兄らしい。……ホッホ峡には その兄の先駆けを止めようとしたらしい。先の戦での負傷した傷がまだ癒えていないらしいからな」
「当然だろ……。火爆破と思われる魔法と爆発茸のコンビだ。チューリップも揺らせる程の威力もあって、更に丸焼きにされたんだ。………生き残れるのもそれなりに難易度が高いだろう。オレも肝を冷やした」
ユーリはため息を吐いていた。アレはランスがいつもの様に受けている志津香の魔法のようではなく、所謂ギャグ要素の一切無い殲滅を狙った攻撃魔法だ。身体は燃やされれば 焼き尽くされれば死ぬし、爆発の衝撃をモ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ