第六話 準決勝開幕!
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ことで知られる名門校だ。
「そう。その策士学院に、アイツがいるんだよ」
東によると。
かつての一軍メンバーの一人。
捕手を務めた滝沢がいるらしい。
滝沢かぁ。滝沢といえば昔、青葉が東の打撃投手をさせられた時に、赤石に捕手させる為に『私、メンクイなんです』とか言った相手だよな?
メンクイと言った直後に変わった捕手の顔を見た時の滝沢の顔は今でも忘れられないな。
「ん? 何の話だ?」
と、懐かしい奴を思い出していると。
野球部員の一人が声をかけてきた。
「……誰だ、お前?」
ツンツン頭をしてるその部員。どこかで見たことがあるような……?
誰だったけなー、と考えていると。
隣にいた東がその野球部員に声をかけた。
「千田だ! 千田!
いい加減覚えろよ!」
……千田?
……。
「あー、千田か」
「おい……」
存在を忘れていた。
誰かいないと思ってたんだよ。
「千田?
いたか? そんな奴?」
東……何気に酷いな。
この時、俺は千田と東に気をとられていたせいで気づかなかった。
赤石が呟いていたことに。
「……裕也。アイツが策士のエースだと??」
裕也。
その人と赤石の間にある、過去の確執に。
8月xx日。甲子園大会準決勝。午後1時30分。
翌日は朝から曇り空だった。
午後の降水確率は50%。
夕立に注意という予報が出ていた。
試合開始のサイレンが鳴り響き。
「プレイボール!」
主審の掛け声により試合が始まった。
俺達、星秀学園は後攻。
つまり、今、俺はマウンドに立っているわけで。
初球。
シュッ!
ズバァンと投げた球はキャッチャーミットを構える赤石のミットの中に収まり。
「ス、ストライク!」
外角低めいっぱい。初球ストレートが決まる。
球速は156キロと表示された。
赤石のサインを見ると、次は外角低めに変化球を外せ、というサインが出された。
二球目。
大きく振りかぶって……。
シュッ!
カクーン。
バッターの手前で大きく落ちるフォークボール
初球のストレートが効いたのか、手が出た相手は空振りをした。
これでツーストライク。
次のサインは内角高めにストレート。
サイン通りに投げると。
バン!
相手はピクリとも動けずに、見送った。
見逃し三振。
ワンアウト。
ちらっと電光掲示板を見ると、球速は157キロと表示されていた。
「……おかしいな」
調子自体は悪くないんだけど。
なかなか出せないなー。160キロを。
「二番、セカンド。坂田君」
場内アナウンスにより呼ばた選手がバッターボックスに
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