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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
Dancing in the dark
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剣戟を交わし合っている途中であっても、リラとミナが欠片でも動こうとすれば直近の地面が轟音とともに爆散し、こちらのしようとしていたアクションをことごとく警戒に引き戻す。
それが示しているのは悠然たる事実。
次はお前らだからジッとしてろ。
傲然と、塊然と、頑然と言下に言い放つ。
「「―――――ッッ!!」」
動きたい。
撃ちたい。
戦いたい。
だけど――――死にたくない。
本能が、本性が、本質が絶叫する。
《アレ》は、戦いという行為が成立しない存在である、と。
ゾガッギャギャギャギギギギギィガガガガガッッッッ!!!!!
四方八方、どころではない。文字通り360度全ての方向から、無数の拳撃が回避を許さない精度と威力をもって襲い掛かってくる。その嵐のただ中で立って、しかもそれら全てを二刀で受け流しているユウキにかかる負担は尋常ならざるものがある。
「ッ!」
背後から放たれた、延髄、というか頭そのものを吹き飛ばすような一撃を、剣身を横にして辛くも衝撃を逃がす。せっかく組み直した心意が、それを支える心ごと瓦解するような揺さぶりが手中で爆発する。
視界の端で流れるように空に消えていく腕は、闇を切り取ったように黒く染まっていた。
だが、それは決して褐色という意味ではない。ドス黒く変色した皮膚は、ところどころ金属質な輝きを放つ光沢を持っていた。
そして最悪なことに、ユウキの中の《絶剣》と呼ばれる部分はソレを目撃した記憶を掘り起こす。
―――
黒鋼
(
くろがね
)
のッ……鎧!
下半身と上半身を永遠にお別れしそうな横薙ぎが、分厚いサバイバルベストを何の抵抗感なく切り裂く。さっき吹き飛ばされた時についでに脱いでおけばよかった、と後悔するが、もうそんな時間と隙は与えてくれない。
鈍く光る黒い嵐はさらに苛烈さと暴虐さを増す。
だが、攻撃の手が増せば増すほどユウキは冷静になれ、と悲鳴のように脳裏で繰り返した。
リラとミナに援護を頼むことは難しい。現に先刻から果敢に鉛玉やら対人榴弾やらが飛んでくるが、ほとんど相手にもされていない。
いや、それを言ったら今の自分だって正しい意味で戦闘が成り立っているのか怪しい。
攻守のバランスなど端から存在していない。ほとんど防御しかできていない。否、させてもらえないと言った方が正しいか。
あの城で培ったささやかな自信が、誇りが、矜持が、その基盤から崩される感覚。
そして、その崩壊を後押しするのは、少年が言っていた言葉だ。
すなわち、これでまだ
未
(
・
)
完
(
・
)
成
(
・
)
であるかもしれないという事実。
アインクラッドにて、《災禍の鎧》は六王によって完璧なまでに砕かれた。その際、初代の怨念たる《核》
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