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大刃少女と禍風の槍
七節・始まりの最上階……その最奥を目指す
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トだったが……アスナの鬱屈とした声で我に返る。
 
 声ですら敵意むき出しでは有ったが、彼女の瞳もまたキリトへ向けていた物より何割増しかで怖さが増量していた。
 己を向けられたものではなく、キバオウへ送っているモノだと頭では分かっているが、心はびくついてしまったか、キバオウよりもキリトが恐怖で引いてしまっている。


「あー、えっと、ソロプレイヤー共は調子に乗るな! ……ってことじゃないかな、うん」
「おーおー……勝手じゃないよ、そんなんは。別段迷惑もかけ取らんし、個人の価値観で恨み節を連ねられてもねぇ?」
「……あなたと一緒なんて少し嫌だけど、でも同意するわ。誰と組むか如何進むのか……ある程度は規範とかあるけど、それを覗けば後は私の勝手なんだから」
「あはは……」


 それでも如何にかこうにか質問に返答して、アスナとグザの返しに苦笑いしながら―――――されど内心では何処か絞め付けられる思いで、 『ベータテスターは調子に乗るな、かな』 とも自嘲気味に付け足す。


 交渉を断られただけではただ気不味くなるだけであろうし、そうなるとあそこまでの態度を取る理由はキリトが “ベータテスター” だと、確信付けているという理由以外彼には思い当たらない。
 しかしながら微かどころではすまない疑念と疑問が生じる。


 それは……アルゴですらもベータ時代のネタは決して売らないが為に、ならば一体どうやってその情報を仕入れたのか? という事だ。


 じゃあキリトがうっかり口にしているのかといえば、キバオウとは一昨日あったばかりで、迷宮区内での共闘すら一秒たりとも行っていない。
 それこそベータの “ベ” の字も口に出してはいない。

 グザに対して恨みがあるのだとしても、一昨日の件ではキバオウ自身も納得していたし、何よりキリトにまで当たる理由が無い。
 ……外見が細身でナヨッとしているから目を付けたと、イジメっ子宛らな理由で声をかけたにしても、肝心のグザが傍に居る時に実行しては先程の様になるのがオチ。
 何よりベータテスターかどうかという事から外れるし、グザがベータテスターかなど見た目だけでは決めつけられる筈も無いだろう。

 ハッキリしているのにハッキリしない……そんな気持ち悪さに苛まれながら、キリトはキバオウの背中を微妙な表情と、それを裏切らぬ微妙な心境で見つめた。


(……あれ?)


 そして、一番大きな違和感に気が付いた。

 もう一度説明するが、キバオウはキリトとの昨晩までの交渉相手であり、39,800コルもの大金を提示できる大金持ち。
 更に、その金額がそれぐらい凄い物なのかというと、コル全て注ぎ込めば一級品の装備を、武器に鎧に全身に買い揃えられて、オマケにNPCへ依頼しより強く鍛
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