アインクラッド編
龍皇の遺産
龍皇の遺産 03
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「うー、美味しいところがフォラスくんに攫われてしまったです……」
龍皇を殺し尽くした僕たちは、もう用のない鉱脈を歩いていた。 クエストの目的である鉱石は目標数を確保してあるし、ヴェルンドさんから頼まれていた龍皇の愛剣も回収済みだ。
ちなみに、その大剣は僕が持てるような重量ではなかったので、アマリが両手に抱えている。。 要求筋力値が冗談みたいに高くて、アマリでさえ保持が精一杯らしい。 『これを振り回すなんて不可能です』といつもの緩い口調に悔しさを滲ませていた。
そのアマリさんは、龍人形態になった龍皇を僕が1人で殺してしまったので、大変にご立腹だ。 強敵を殺したがるあたり、完全に戦闘狂だろう。 もっとも、それに関しては僕もそうだから何も言えないけど。
「でもほら、仕方ないでしょ? 人型なら僕の方が適任なわけだし、そもそもそれを言うならHPバー2本は殆どアマリが喰い尽くしてたよね?」
「それはそれ、これはこれ、ですよ。 ぶっ殺し足りないです。 殺戮が足りないです。 もっと殺したいですー」
「分かった分かった。 了解したともさ。 じゃあ、ヴェルンドさんに報告したら、迷宮区でモンスターを殺し尽くしましょうねー」
「それは元々の予定です! 私はもっと大きい奴をぶっ殺したいのですよ」
完全に危険な発言のアマリ。
現実でこんなことを言っていたら問答無用で逮捕されるだろう。
まあ、基本的にアマリはこの調子なので、変わり者が多い攻略組の中でも奇人変人扱いを受けている。 ついでに、僕もその扱いだ。
さて、今はそんなことよりもアマリの機嫌を直すことが先決だ。 この状態を放置していると、フロアボスに単身で挑みかねないし(以前、それが現実になりかけて必死で止めた)、そうならなかったとしても、いじけたままのアマリを放っておくなんて僕にはできない。 やっぱりアマリには満足して欲しいのだ。
「と言っても、74層のフィールドボスはもういないからなー。 かと言って迷宮区に大型モンスターは出ないし……」
「じゃあ、クエストはどうです? 大型モンスターをぶっ殺す系のクエスト。 きっとアルゴのお姉様なら知ってるですよ」
「ん、それは妙案。 どうせまた、とんでもない情報料をふんだくられるだろうけど、まあ、レベリングにもなるしね」
「じゃあ決定ですねー。 あはー、今からとっても楽しみです」
「それは良かった」
ようやく楽しそうに笑ったアマリを見て、僕も笑い返す。
その笑顔が危ない笑顔だとか、楽しみにする内容が血生臭いだとか、この際気にしない方向で行こう。 それに、大型モンスターを殺すなんて僕としても楽しみだし。
そんな狂人の会話を交わしていると、ヴェルンドさんが開いてくれた道
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