十三話:心の刃
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つまりなのはに勝っても闇の書のページは埋まらないのだ。
どうせ戦うのならまだ蒐集していないフェイトにするべきだ。
だが、それを見るからに頑固そうななのはが許すかと言えば許さないだろう。
「なんだよ、戦わねーのかよ。ビビってんのか?」
「そういうわけじゃないけど……戦えないのは少し残念かな」
ヴィータからの挑発に少し困ったような顔で呟くフェイト。
何とか怒らせて先にフェイトから戦おうと考えたヴィータだったがそう上手くはいかない。
やはり、ここは何とか隙を作り出して撤退するのが最善かと考えたところで聞きなれた凛とした声が耳に入って来る。
「その心配はないぞ、テスタロッサ。私と―――レヴァンティンが相手になろう」
『シグナム!?』
鞘からレヴァンティンを抜き放った状態で現れたシグナムになのはとフェイトだけでなくヴィータも心底驚く。
念話で敵に発見されたことを伝えたのは確かだが余りにも救援に来るのが早すぎる。
相手がこちらを発見したのとほぼ同時に動き出さなければ間に合わないはずなのだ。
そんな疑問を感じ取ったのかシグナムが念話で話しかけてくる。
(シャマルから頼まれて来た。テスタロッサとその友人がこちらに向かったとな)
(シャマル? 確か今日は切嗣の代わりにはやての病院の付き添いで家にいるはずだろ)
(そうだ、そのシャマルから知らされたのだ。……我々にとっていい知らせと悪い知らせをな)
どこか自分の失態を恥じ入る顔をしながらヴィータの横に降り立つシグナム。
その表情に不安が駆り立てられるがここにこうして彼女が居る以上ははやての身に何かがあったのではないと理解し心を落ち着かせる。
そんな心情を察してか安心させるような言葉を彼女がかけてくる。
(そう、心配するな。失態ではあるが戦闘前に気にする程のことではない……)
(これが終わったら早く話せよ)
(分かっている。ザフィーラにも伝えねばならないからな)
確かに気にはなるが戦場で他のことに気を取られれば待っているのは無慈悲な死だけである。
故にヴィータは歴戦の騎士として素早く心を整えてグラーフアイゼンをなのはに突き付ける。
シグナムもまた、フェイトにレヴァンティンを突き付ける。
少女達二人はその闘気に当てられて己の愛機を強く握りしめる。
「烈火の将、シグナム―――」
「鉄槌の騎士、ヴィータ―――」
「高町なのは―――」
「フェイト・テスタロッサ―――」
『―――いざ、参る!』
一拍すら置かずにぶつかり合うデバイス達。
こうして少女達と騎士達の三度目の出会いは始まったのである。
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