第五話キャベツ焼き?
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かけて食べ始めた。
やっぱり濃い味付けの方が好むみたいだ。
「それにしても意外ね……」
「何がだ?」
うどんを食べ終わった時、青葉がそう話しかけてきた。
「アンタからデートに誘ってきたことよ」
「そうか?」
「そうよ」
「息抜きしたかったからな……」
「ふーん。私と出かけると息抜きになるんだー。そっかそっか」
嬉しそうに呟いた青葉。
あの青葉がデレたよ。
ああ、可愛いなー。
普段は素直じゃない青葉だけどこいつが素直になった時の表情がまた可愛いんだよな。
本人に直接言う気はないけどデレ青葉を見れただけでも連れてきてよかったな。
「アンタの事だからてっきりまたキャッチボールの相手をさせられると思ったわ」
昔、まだプレハブ組に入れられていた頃。初めての一軍との壮行試合で投げることになりその試合の前日に青葉を今回誘ったのと似たような言葉で誘ったけなー。あの時一軍相手に投げる自信なかったから青葉にボール受けてもらって確かめたかったんだよな。
俺の球が一軍相手に通じるかどうか、を。
「はっは。当たり前だろ。あの頃の俺じゃねえんだからもう自信がないとか言わねえよ」
「嘘ね……不安なんだ」
「……」
「アンタの事だからどうせ夢の中でメタ打ちにでもされたんでしょう。
そのせいで次の試合、ビビってるんじゃない?」
昔から俺のことをよく知ってる幼馴染みのこいつにはやっぱりわかっちまうか。
「……ああ」
「ふーん。で、気をまぎわらそうと私を誘ったんだ?」
「……ああ」
「はぁ〜。
若ちゃんが見た夢。
その舞台ってどこだったけ?」
え?
何でそんな事を聞いてきたんだ。
そんなの言わなくてもわかってるよな、青葉も。
「ど・こ・だっ・た・け?」
……これ、答えないといけないのか?
「舞台は超満員の甲子園」
「そうよ。
わかってるじゃない。
例えどこまで勝ち上がろうとも、負けようとも……超満員にすればいいのよ!」
「……え?」
青葉のとんでもない発言を聞いて、しばらく声が出なかった。
「若ちゃんが見た夢は超満員の甲子園で投げてるアンタや他の皆の姿なのよ。
決勝に行こうが、行けまいが若ちゃんの夢はすでに叶ってるのよ!」
「いや、でも……超満員って言ったら決勝だろ?」
「若ちゃんは一言も夢の舞台が決勝戦なんて言ってなかったわ。
若ちゃんが言っていたのは超満員の甲子園でピッチャーをやってるアンタとキャッチャーをやってる赤石先輩、サードを守る中西先輩、それと……」
「それと?」
「……何でもないわよ。
絶対にありえない事だし」
一体若葉は青葉に何を言っていたんだ?
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