034話
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ヴニール》。その力によりランクAに匹敵するカルナの一撃は軽症で済まされている。
「それは此方の台詞だカルナ。その鎧、貴殿の真の宝具ではないにしろ中々の業物だ」
「ふむ、看破していたか。すまない、鎧が無いのはお前を侮辱している訳ではない」
斬り合いながら身体に傷を刻み理解した。あの黄金の鎧はカルナの宝具ではない物だと。あの鎧が宝具であるならばあの一撃程度で亀裂など走らない。
「鎧はマスターに捧げた。やはりあれは極上の一品のようだ、我が身を褒められるように嬉しく思う」
「そうか。だがそれでも俺に勝てるとでも」
「確かに最高の防御は剥がれた。ならばこの世界の流儀に従うとしよう。ガーディアンARM ガルーダ」
手首に装着していたARMを発動したカルナ。それは人の姿でありながら異形の守護者、鋭利なナイフに勝る爪を持ち背中には複数の翼を持った異人。
「マスターより賜った物だ、遠慮無く使わせて貰う」
「なら俺も全力で行かせて貰う!ガーディアンARM ファヴニール!!」
刹那、ジークの背後の空間が罅割れていく。罅から赤黒い光が漏れ出しそれは憎悪、殺意、怒り。様々な負の感情を凝縮した物のような邪悪さ。だが同時に懐かしささえ思い出させるような光が満ちてくる。
「くぅ……いきなり、持って行くわねぇ……でもまだ余裕よ」
いきなりごっそりと減っていく自分とジークの魔力に苦言するドロシー、だがまだ余裕の範疇内。これからが厳しくなる、必死に魔力を生産し供給しなければ。
「―――ほう。これがかの悪竜か」
初めて目にする竜種にカルナも思わず感嘆の言葉を漏らす。その巨大さと満ちている力と邪悪すぎる魔力、そしてこれを討ち取ったというジークフリートに。だがそれは目の前に居るジークに対する侮辱ではなくこうして従えていると言う今の彼を称えているつもりでいる。
『ほう………此度は楽しめそうだな』
「好きに暴れろ。魔力は足りているか」
『………女の魔力を感じるな、成程……。これならやれそうだ』
「来るか悪竜」
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