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M?R - メルヘヴン - 竜殺しの騎士
034話
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しの英雄をお連れしよう」

主たるマスターから念話が飛んできたのだろう、催促の声が。その手に具現化するは槍、魔力の火炎を纏い振るう度に更に強く燃え上がる槍。対するは竜殺しの大剣、空気さえも両断するその切れ味が炎を断つ。

「我が主の欲望が世界を覆いつくすまで消えぬというのならば俺は世界へ続く扉になるだけ」
「さあ―――始めよう」

雄たけびも裂帛の気合も無く戦いは始まった。されど二騎の闘志は灼熱よりも熱く深い。ここに―――サーヴァント対サーヴァントの戦いが始まった。

静かに切り結ばれた剣と槍は爆風を巻き起こし両陣営の待機メンバーを戦慄させた。未だ互いが振るった攻撃はたった一撃、それだけでこれほどまでの衝撃波を発生させる両名の実力に。撓る弓のように惹かれた腕が一気に伸ばされ槍が迫ると同時に身体を捻り槍の軸線場から身体を動かす。

「伏せろォ!!」

アランの怒声が響く、同時にその身体全員の体を強引に伏せさせた。そして彼らの頭部あった同じ高さの壁に深々と風穴が4つ開いた。

「な、何が起きたんだ!?」
「仕込み武器でもあったのあの槍!?」
「否あれは突きだよ!突きが飛ぶなんてどんな筋力してんのよ!?」

飛ぶ突き。カルナの筋力から放たれた一撃はその槍が届く範囲を飛躍的に伸ばしている。遠くに居ようがその槍に捉えられない物などない。切り合いを再開するかと思いきや両者、一歩後ろへと下がる。

「指し分けだな」
「だな」

互いの武勇を称えての笑みが出る。同時にチェスの駒の陣営近くの壁が吹き飛ばされ光が注ぐ。斬撃を飛ばすという事はジークにとっても得意な事。既に両者にリーチの問題などない。

「「―――ッ!!」」

再度風が駆ける。常人では目で追えない程の速度で大地を駆け、間合いを詰め切り払いを捌き切り上げるジーク。相手の長い槍を戻すという僅かな時間のロスを付き一閃。通常ならこのタイミングで対応する事など出来る訳が無い、出来る訳が無いはずなのに。手首で槍を回転させ一閃を弾き一気に槍で攻勢をかける。上段からの突きを受け止めそこから派生する薙ぎ払いを身体を反らし回避。最低限の動きを心掛けて大剣を操作し前へと進み、その腹部に剣で斬り付けた―――と同時にジークの首筋を槍が這った。

僅か10秒と言う短すぎる時間の中で優に100合を超える果し合いを果たしていた二騎。他のメンバーにはまったくその戦いの全貌を把握する事が出来なかった。互いに光の線が無数に向かい襲い掛かっているとして映りこんでいなかった。

「傷が浅いな。その身体に刻み込んだ槍は既に50を超えたと思っていたが」

50を超える槍をその身に刻み込んで尚向かい続けてくる圧倒的な力。竜殺しの英雄が竜を討ち取った事で得た呪い |悪竜の血鎧《アーマー・オブ・ファ
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