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大刃少女と禍風の槍
五節・青少年のハプニング
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 ゾロゾロと東西南北にバラけて行き、皆が広場を後にしていくなかで、未だキリトとアスナ、グザの三人は、広場の中途半端な位置に立っていた。


 データの身体のだから凝る筈の無い肩をキリトが回していると、周りに自分達以外人が居ない事を確認して、アスナから低い声が掛かる。


「説明ってどこでするの?」
「俺は何処でもいいけど、その辺の酒場にする?」
「いや、誰かに見られたくない」


 言う際露骨にグザへ視線が向いていた事で、何故その台詞を吐いたのかがよく解る。


「オレちゃんは構わんがねぇ」

(そりゃアンタはそうだろうけどさ……)


 キリトとしても―――彼女は否定するだろうが―――イロモノ二人と一緒に居てアルゴに変なネタを作られたも困るのだ。
 本人曰く、ゴシップは売らないのが主義らしいが、彼にしてみれば怪しい事この上ないし、毎度からかわれるのも微妙に嫌だった。


 余計な事に思考が傾きそうになるのを押さえ、キリトは如何にか次の言葉を口にする。


「どっかのNPCハウスの部屋……は誰か入ってくるかもしれないし、どっかの宿屋の個室なら鍵かかるけど……それもダメ、だよな?」
「当たり前じゃない」


 身も蓋もない率直な即答に、キリトがダメージを受けたが如く呻いた。

 どうも様子からするに他者、特に異性とのコミュニケーションがちょっと苦手なのか、表情で難儀している事がすぐにわかる。

 なら残りに何か方法があったかと、必死に彼が記憶の中から引っ張り出してこねくり回していく……グザはずっとパイプを吸っており、知恵を貸してくれそうもない。


 と、キリトが悩んでいる真っ最中、その思考を一旦止める発言が、アスナの口から出てきた。


「そもそも……宿屋って言うけれど、この世界の宿は部屋なんて呼べる代物が無いわ。睡眠は本物なんだからもう少し良い部屋がいいのに、あれで50コルなんて詐欺じゃない」
「へ? いや、探せばもっといい部屋あるだろ? 当然場所によっちゃ値は張るけどさ」
「探す? 探すと言ったって、この街には三軒しか無いじゃない。オマケに部屋はドングリの背比べ……変える意味が無いわ」


 そこでキリトは彼女が何を言っているか、何故そんな事を口にしたかを理解する。


「ああ……INNて看板の出てる建物しか入って無いのか……あれはさ、取りあえず安い値段で泊まれるってだけで、コルを払って泊まるならもっと良い部屋はたくさんあるんだよ」
「そうなるとオレちゃんは、どーも運が良かったって訳かい」
「へぇ、INN以外に停まってんのか? アンタ」
「偶々な」


 グザと会話を交わしているキリトを、ポカンとした表情でしばしアスナは見つめていたが、
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