四節・走破へはじめの第一歩
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終わった所でもう一人の所へ行くべく、キー坊(仮称)―――ではなくキリトは、フーデットケープの少女の元へと行く。
彼女はこんな状況に陥っても、慌てること無く身動ぎすらしないが、代わりに立つ事も話しかける事もしていない。
キリトは彼女へスーッと近づき、多少遠慮がちに声を掛けた。
「や、やあ……アンタもアブれたのか?」
「アブれてないわ。周りが仲良さそうだったから、遠慮して一歩引いていただけ」
「それをアブれたっつうのよ。如何取り繕ろおうと意味同じだわな」
キリトも内心そう思っていれど、ちゃんと空気を呼んで声に出さなかったのに、またも何時の間にやら背後に居たグザが、後頭部を掻き続けながら躊躇せず口にする。
しかもその後そっぽを向き、ブルーベリー色のパイプを咥え、ニタリと笑って悪びれる様子もない。
目の前の少女から怒りのオーラが膨れ上がるのを感じたキリトは、グザへ一瞥くれると慌ててパーティー参加申請を出し、身振り手振りを加えて話し出す。
「だ、だったらパーティーを組まないか? と言うか何れにしろ組まないと攻略に入れて貰えないし……」
「……………わかったわ」
恐らくグザも彼と同じパーティーだと言う事を理解したか、何秒もの間沈黙を保っていた少女だったが、今ここで我を貫いては本末転倒だと悟ったか、小さく頷いてからメニューをクリックし、申請へ肯定の意を示した。
やがて小さな効果音と共に、キリトのHPバーの下に二つ目の小さなゲージが現れる。
そこに書いてある文字は《Asuna》……普通に読めばアスナであろう、それが彼女の名前らしかった。
広場に居る全員がパーティーを組んだ事を確認すると、まずはそれぞれの装備傾向やメインウェポンを検分し、目的別に分かれるよう少人数入れ替えた。
その後、高い火力と機動性を持つアタッカーの部隊を三つ、重い鎧で身を固めた防御専門のタンク部隊、射程の長いポールウェポンで両部隊を支援するサポート部隊を二つ、それぞれ分ける。
そして、ディアベルは次に役割事の作戦を出す。
タンク部隊はもっぱらボスのターゲット引き受け役で、アタッカー部隊は二つがボスで一つが取り巻きを請け負い、サポート舞台はディレイ効果が付与されているソードスキルで可能な限り行動を阻害する用に―――これが彼の考えた、基本に忠実な作戦だった。
するすると作戦は決まっていったのだが……しかしながら、此処で問題が生じた。
そう、たった3人―――常時フーデットケープ少女、刺青半裸の長身男、そして単なる黒髪の少年で構成された、見た目にも異質な味噌っかす部隊である、キリト達のパーティーが余ってしまったのだ。
さしものディアベルも彼等の前で数
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