四節・走破へはじめの第一歩
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攻略本内には今しがた判明したボスの名前や取り巻きの事だけでなく、キー坊(仮称)が知っている事―――推定総HP量に片手斧と曲刀のスキルや間合い、剣速に推定ダメージ数値などが、三枚の羊皮紙で作られた本を余すこと無く使おうと、それこそビッシリと書かれている。
当然の事、ボスのサポートとして湧くセンチネルの情報も、四ページ目にちゃんと記されていたが……攻略者達の目を引いたのは、裏表紙に書かれていた大きな赤い文字、
【この情報はベータテスト時のものです。現行版では変更されている可能性があります】
というものだった。
特徴的なフォントの一文の所為で、彼女がベータテスターである可能性がより高まったのだから。
根拠は無いし、情報をベータテスターから買い取っているのだから、この一文を入れるのはある意味当然とも言えるが、正確さ故に疑いが広がるのもまた事実。
この一文を目にしたからか、キー坊(仮称)の目に入る範囲のプレイヤーだけでも、目を見張っていたり考え込んでいる物が多い様に見えた。
他の場所に居る者達も同じか、空気が重くなるが……唐突にその空気を切り裂いたのは、グザだった。
「様はベータテストと違うかもしれません、て警告くれてるだけだわな。他の事考えてる暇なんざ無いやね」
一旦パイプを口に咥え、煙を吸って吐きだしてから、再度話し始める。
「つうかね、寧ろ……この一文があるから、過信しなくて済むんじゃないかい?」
彼の発言は至極尤もであり、また今は疑いなどかけている場合ではないという思いも、先日の時点で生まれていたのか、重い空気は一先ず消えて行く。
その空気を完璧に霧散させたのは、この攻略隊実質率いる事になった、ディアベルの発言だった。
「ああ、今はこの情報に感謝しよう! 危険の高い偵察戦を省く事が出来たんだ! SAOが現行版でも数値通りなら、ボスはそこまでヤバいって訳じゃあない。慢心はいけないけど、戦術を練り回復薬を沢山持ちこめば、死人0でもクリアは可能で―――」
そこでディアベルは黙り、頭を振ってから強く握った拳を掲げる。
「いや違う、死人を絶対0にする! 騎士にの名にかけて約束しよう!」
勇猛なる希望呼ぶ発言に、周囲からは掛け声が上がり、拍手まで飛ぶ。
その姿は、ひねくれ者だったとしても、ディアベルが中々のリーダーシップとカリスマ性を持っている事を、否応にも認識できるものだった。
このSAOではギルドを作る事も出来るので、何時そのクエストが受注できるのか知っているキー坊(仮称)は、そこに辿り着くまでに彼の人望でどれだけ人が集まり、何処まで大きなギルドを立ち上げるのか、それを
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