135
[8]前話 [2]次話
切なきて
遠く帰らぬ
君を呼ぶ
声ぞ虚しき
小夜更けにける
余りに切なくなり、会いたくて思わず…彼の名前を呼んでみた…。
遠くへと行った彼は、もうここにはいないのだ…。そんな彼を呼ぶ私の声は、さぞ滑稽で…なんて無意味なものなのだろうか…。
淋しさが募る夜更け…今日もきっと、彼の名前を口にするだろう…。
片恋の
辛き想いに
溜め息を
吐きてや見なば
世も徒然に
片想いとは辛く…想えば想うほどに堪えがたくなるものだ…。
そんな彼への想いに溜め息を洩らし、ふと外を眺めて考えたらば…世の中と言うのはさして何をするでもなく、ただ自然と人とが右往左往しているだけなのだ…と、そう思えた…。
そんな小さきものが恋愛で苦しんだり喜んだりするのだから、これもまた虚しいようにも思える…。
しかし…命短き人だからこそ、これ程に一人を愛せるものかも知れないとも思える。
たとえそれが…儚く散りゆくものだとしても…。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ