第十一話 十二月
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に存在している。
実を言えば、フレンドリストで生存しているのは6割で、4割は何らかの理由で死んでいる。
「死亡率が高いのは否定しないが、そんなもんは、ただの偶然だ。
俺が別に何かしたわけじゃない。 たまたま、偶然、死んでるやつが多いだけだ」
サラッとそんなことを口にすると、女性はクスクスと笑みを浮かべ。
「まだ、それだけの理由じゃない。 こうやって私のようなオレンジの誘いを簡単に受けたり……。 過去、オレンジプレイヤーと交流を持っていたことがあったな。 確か、玖渚とかいう」
「……それがどうした?」
俺が警戒しながらそう言うと、女性は再びクスクスと笑い。
「普通、オレンジと関わろうなんてプレイヤーは早々いない。 まして、こんな風について来るなど、正気の沙汰じゃない。 だが、お前はついてきて、その上、攻略組だというのにまだ生き残っている。
これは何か面白い考えがあるんじゃないかと思ってな」
そんなコトを口にする目の前の女性に。
「別に面白い考えがあるわけじゃねぇよ。 俺はただオレンジだろうと人だから、イヤイヤながらも関わってるだけだ」
そんな本心を伝えた。
すると、女性はハハ、と軽く笑った後、口を開いた。
「まぁこの場はそういうことにしておいてやろう。 私の素性は詳しくは伏せさせてもらうが、とある事情でお前の情報を多数持っていてね。
調べれば調べるほど、お前という人間に合って、話をしてみたくなった。 ファンと言えば聞こえはいいのかな?」
「……勝手にストーカーされるのはいい気分じゃねぇな。 ファンってのも、間違ってるだろ。
大体、俺みたいなヤツのファンなんかしても意味ないだろ。 イケメンなら攻略組に幾らでもいるし、強いやつも幾らでもいる。
自分で言うのもなんだが、俺には魅力なんてないからな」
「随分と必死で否定してくるな、お前は。 いやしかし、話をすることは間違いじゃなかったようだ」
女性はそう口にした瞬間。
懐から、銀色に光る何かを取り出したかと思うと。
その場から、文字通り、消えた。
同時に俺は間髪入れず、剣を抜き、背後を振り向きながら剣を振るった。
すると、その場に、激しい金属音が木霊し。
俺の視界が認識した先には。
ナイフで大剣と打ち合う、その女性の姿があった。
……コイツは、ヤバい。
心の芯から来る寒気と共に女性と眼を合わせると、女性は口を三日月に曲げて笑う。
「中々どうして、素晴らしい。 経験から来るものか。 いや、この程度なら、攻略組なら誰でも出来るか。
益々気に入った。 その凡庸さ、その偏った異常さ。 もう少し観察させてもらおう」
「オイオイ、俺なんかを観察したところで得るものなんか何も無いぜ」
あくまでも、表面上は冷静を装うが。
心の中は、半分
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