第十一話 十二月
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、と思う。
「まぁ、わかった……。 俺の方からも応援を増やしておくか」
「悪いけど、頼んだ。 俺も出来る限りのことはするからさ」
それだけ言って二人でため息を吐く。
正直、この時から、俺は嫌な予感しかしなかった。
そして今に至るというわけだ。
因みに今の従業員は……。
「はいこちら生3つと樽ハイになりまーす! 追加でご注文は?」
せっせと働いているのは、ギルマスこと天乃。
手馴れてるな、と思う。
学生時代にバイトで飲食店やったことあるらしい。
ぶっちゃけ俺は学生時代のことなんか、最近断片的にしか思い出せねぇや。
「えー、お会計は合計で25k600コルですね」
そして会計をやっているのはシャム。
本当は本日、ギルドでイベントに参加予定だったらしいが、無理言って連れて来た。
一応バイト代として、本日働いたら売り上げの4分の1を支払うという条件だ。
それにアイツは、中世的な外見のお陰で、人からのウケはいい。
因みに女装させてみてるが、全く気づかれてないようだ。
ありがたい、本当にありがたいぞ……シャム!
それ以外にも、俺のフレやら天乃のツテからの人手で三人が集まっているが……。
まぁ、全員男だ。
こんな男ばっかのムサい酒場ってのもどうかとも思うが……。
というかウチの看板娘が全員いないってのもある意味詐欺だ。
その分シャムに頑張ってもらわないと、だな。
そんなことを思いながら、俺は仕事に励むのだった。
店ももう閉店の時間に近づいてきた時。
紺色の髪の、見たところ二十台前半から十代後半の女性が、一人で店内に入ってきた。
ただの女性なら、俺達はスルーしていただろうが。
その女性は、オレンジポインターだった。
……通常なら、オレンジポインターは街に入れないハズだが。
まぁ来ている以上、何らかの手段を使って入ってきたのだろう。
事実このエリアでNPCによって追い出されるということは無い。
それに来ている以上は客だ。
あくまでも、そこを変に突っ込まず、丁重な対応を取るべきだろう。
そこで、従業員全員に目配せすると。
全員、関わりたくないという視線を俺を見る。
……こりゃあ、俺が貧乏クジ引くしかないみたいだな。
ここは諦めて俺が対応取ることにしよう。
「いらっしゃいませ、ご注文は?」
俺は淡々とした口調で、その女性にそう声をかけると。
女性は俺を少しだけ見た後。
「とりあえずカルーアミルクでいい。 そんなことより、お前」
そこで一度区切られた後。
「業務が終わったら教えろ。 話がある」
そんなことを、口に出した。
……なんだ、この嬉しくないお誘いは……。
女性に誘われたことについては嬉しい。
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