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英雄は誰がために立つ
Life20 運命 邂逅に続く邂逅
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 魔術協会。

 古今東西、世界中の魔法使いたちが集い学び、自分の研究成果の発表に使うなどの互助組織。
 その互助組織には派閥があり、大きい所だと独立しているが、一番最古の派閥である番外位の悪魔(エクストラ・デーモン)であるメフィスト・フェレスが理事長を務める灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)がまとめ役であり、実質的な魔術協会のトップだ。
 その魔術協会の最高学府はロンドンにあり、それを管理しているのも灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)である。

 そんな士郎はロンドンの灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)の管理する学術塔――――時計塔に、大切な用事を済ませて戻って来ていた。
 しかし塔の前では士郎にとって顔なじみである2人と1体がいた。

 「ロード?如何して外に?」
 「私とて、外に出る事位は有る。とは言え、今日に限ってはお前の出迎え――――」
 『絶対領域マジシャン先生!!?』
 「あ゛!?」

 明後日の方向からの突然誰かの意味不明な言葉に、誰よりも早く反応したのはロード・エルメロイU世だった。
 ロード・エルメロイU世の過剰反応に対して士郎は、ライネスに念話で聞く。

 『ライネス、絶対領域マジシャン先生って言うのは何?』

 士郎は女性の名前を呼ぶときは、本人の許可と強い要望が無い限り呼び捨てにはしない――――つまり、許可と強い要望をライネスにされているのであった。

 『フラットの馬鹿が作った、新しい兄上殿の二つ名だそうだ。詳しく聞きたいのなら本人に聞いた方が良い』

 ライネスは下らないと一蹴するかのように、士郎に答えた。
 そんなライネスだが士郎と初めてあった時、外面(そとづら)をよくするために即座に猫の皮を被ってからの対応をしたのだが、それすらも可愛い程の数十枚レベルの猫の皮を即座に被れる奴が知り合いにいると言う理由から、瞬時に見破られた。
 その事に、折角愛想よく対応したのにも拘らず指摘されたライネスはムッとしたそうだが、士郎が何時も通り(・・・・・)の事を言ったために黙った。

 『猫の皮を被ろうが在りのままだろうが、君の魅力が落ちる訳じゃ無いし、俺はどちらの君も可愛いと思えるけどな』

 ――――と言ったのだ。
 人間界の魔法の協会の理事は悪魔だが、腹黒さや陰謀策謀を含めれば今の魔法使いや魔術師も負けていない世界で育ったライネスからすれば、あまりにもドストレートな口説き文句だったので、その時は嬉しいとか侮辱されたとかでは無く、只々面食らったらしい。
 それだけなら彼女の心を氷解させることは無かったが、ある騒動が起きた。
 アーチボルド家前当主派の残党に、実質的な当主であるライネスが襲われたのだが、それをたまたま居合わせただけの士郎が盾となってライネスを守
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