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英雄は誰がために立つ
Life20 運命 邂逅に続く邂逅
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アサシンは、背後に誰も居なかったにも拘らず、後頭部の急所を音も無く突き貫き殺されたようだった。
 結局李は、その事実に気付く事も出来ずに去って行った。


 −Interlude−


 「マスター。言われた通り、魔術協会に周辺に展開していた敵サーヴァントの殲滅、完了しました」
 「ご苦労様です、アサシン」

 夜中の駒王町に、怪しい人物が長層のビルの屋上の先から下を俯瞰していた所に、音も無くある存在――――時計塔を囲むように展開していたハサンたちの半分以上を1人で殲滅したサーヴァントが斜め後ろに控えるように現れたので、最初に居た人物は労いの言葉を掛けた。
 彼が見ていたのは銀髪長髪の少女と女性の中間的なくらいの歳の娘、イリヤスフィール・藤村であった。
 そして一般人には見えないだろうが彼女の周りには、曼荼羅のように様々な防御術式が敷き詰められており、彼女守るように囲んでいた。

 「見えましたか?あれは恐らく、藤村士郎君の友人であるフィリップ・アウレオールスがオートで起動させるように組み上げた途轍もない防御術式ですね」
 「大したものではありますが、サーヴァントが強攻すれば押し切られるのでは?」
 「それは我々が杞憂するべき事ではありませんよ?ほら、あちらのビルを御覧なさい」

 マスターと呼ばれた人物が、3キロほど離れた6階建てくらいのビルの屋上に注視させる。
 そこには、金髪の長髪を風に靡かせる弓兵――――大賢者ケイローン(ケイン・クロス)がいた。

 「大賢者ケイローン殿ですか。確かに彼が居れば安心でしょうね」

 このサーヴァントのマスターは、それに無言で同意して踵を返した。

 「此処は任せて帰りましょう。あまり長居し過ぎて下手を打てば、我々が殲滅の対象に切り換えかねませんからね」
 「御意」
 「・・・・・・ところで、いつまでそんな格好(・・・・・・・・・)なのですか?アサシン――――いえ、〇〇〇〇〇」
 「いえいえ、他意は無いのですよ?ただ人物に成り切り過ぎると、悪乗りしたくなりまして」

 マスターの言葉にアサシンと呼ばれていたサーヴァントは、4本の腕を持つ怪人から瞬時にシルクハットとモノクルとタキシード姿が似合う紳士に変わっていた。

 「それにこの私の宝具が目当てで、私を召喚したのでしょう?」
 「まぁ、否定はできませんね」

 そんな風に会話を続けながら夜闇に溶け込むように、いつの間にかに消え去って行った。


 −Interlude−


 「正気か、士郎!?」

 場所は戻って灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)の理事長室、メフィスト・フェレスと向かい合って士郎は自身の用件についてを報告した。
 本来では私事なので報告する義務はないのだが
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