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英雄は誰がために立つ
Life20 運命 邂逅に続く邂逅
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貴重な体験だったわい。まさかギリシャ神話の神々に会う事となろうとは、長生きもするモノ・・・・・・と、儂は既に肉はあっても亡霊みたいなものじゃったな。2度目の往生はまっこと面白い!』

 これが念話でなければ最後に、呵々と言う李の笑い声が聞こえて来そうなくらいに上機嫌だった。
 そして、そうこうしている内に理事長室に前についた士郎達は扉を開けようとすると、その扉が突如として勝手に大きく開かれた。

 「っ!」
 『!?』

 ドアノブに手を駆けていたのが士郎では無く、ロード・エルメロイU世なら吹き飛ばされていたか位の勢いだった。
 扉を開けたのは男性だった。
 服の上からでも判るくらいの引き締まった筋肉質に、貫禄のある風貌、そして幾つもの修羅場を渡ってきたために感じさせるオーラを纏った40代ほどの男性だ。

 「おや?ウェイバー」
 「貴方はミスター・デミトレ!如何してこんなところに?というか、本名で呼ばないで頂きたい」
 (この人が・・・・・・)

 士郎は、ロード・エルメロイU世がデミトレと呼んだ男性を見る。

 ザウス・デミトレ。
 『異形嫌い』で有名な魔法使いで、今までどんな悪魔とも契約を結ばないでいる。
 それに日々の言動から悪魔側からも嫌われているが、ロードの称号を維持できるだけの多くの魔術研究、新たな技術の確立や、時計塔で一、二を争うと言われている人気講師でもあるために、邪険に扱う事も出来ないと言う痛し痒しの人材でもあった。
 基本的にどの派閥にも所属していない一匹狼でもある。

 「それに幻想殺し(ファンタズム・マーダー)、シロウ・フジムラか。こんな悪の巣窟に何か用――――」
 「とっとと出ていけ、野良犬風情が!」

 士郎に注目してたザウスに、部屋の奥にいるメフィスト・フェレスからの怒号が飛んできた。

 「言われずとも出て行きますよ、人食い理事長閣下。では失礼させていただくよ、エルメロイの姫様ならびに幻想殺し(ファンタズム・マーダー)、あとベルベット」
 「きっさまッ・・・・・・!!」
 「私はついでか!?あと、本名で呼ぶなっと言ってるだろ!」

 メフィスト・フェレスの殺気とロード・エルメロイU世の苦情を背に受けたにも拘らず、ザウスは気にせずにその場を去って行ってしまった。
 そんなイベントをよそに、李は士郎に念話で呼びかけた。

 『・・・・・・・・・士郎、今回は是にて暇にさせてもらうぞ?』
 『ああ、ありがとう。けど、如何して今なんだ?』
 『呵々、外に曲者がおる様なんでな、掃除ついでと言った所か』
 『まさか、フィリップの予想通り・・・?』
 『そのまさかの様だな。呵々、これは帰った後、あ奴の説教を覚悟せねばの?』
 『他人事だと思って・・・』


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