暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第12話?仲の良い鍛治屋さん
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ーグをカットして、リズのグラタンの入った皿に入れた。取り皿があればよかったのだが、今このテーブルには無い。NPCのウェイトレスに頼めば持ってきてもらえるかもしれないけどたった一口サイズなのだからそれは大袈裟だろう。
?もらったグラタンを右手に持ったフォークですくい口に含んだ。少し熱かったが息を吹きかけて冷ますほどではない。食感は本物のグラタンと同じだが、ハンバーグと一緒でなにかが足りない――正直美味しいとも美味しくないとも言い難い。例えるなら材料をひとつ忘れて作ってしまったような……そんな感じだった。
「……なんかどっちも微妙ね」
「……そうだね。なにか足りないよね」
?それをカバーするために調味料があるといいけど、この世界にそんなものは存在しない。うぅ……デミグラスソースとかほしい。てか、デミグラスソースって調味料に入るのか?
?こうやって店の中なのに料理の悪口を言えるのは、人間ではなくNPCが営業しているからだ。向こうがコンピューターだから怒られるとか気にする必要はない。まあ、それでも店のものに悪口言ってることに代わりはないが。はあ、プレイヤーがレストランとか開いたお店はないのかなあ。
?二人でぶつぶつ愚痴りながら料理を完食する。いや別に食べられないほどじゃなかったし、今まで食べた中では結構上位にランクインするけどやっぱり現実世界の食べ物には負ける。……母さんの料理が恋しいな。
?食べたあとにテーブルに置いてあるナプキンで口元を拭ってから、話を戻すべく口を開いた。
「でさ、造ってほしいんだ」
「う〜ん、そうね〜……」
?女性らしく丁寧に口元を拭いたリズは、また食べる前と同じ顔をしながら唸り始める。
「なにか問題あるの?」
「あるわね」
「どんなのさ」
?率直に聞き返しながら、嫌な予感をしてしまいそうになる自分を抑える努力をする。造ってもらえなかったら僕はどうしたらいいんだ(ピンポーン、別の鍛冶屋にいけばいいんです)。僕が知っている鍛冶屋の中で一番信頼できるのはリズなのだが。
?目の前の鍛冶職人は、なおも難しい顔をしながら頬杖を着いた。
「いや、あたしの鍛冶スキルが問題じゃないのよ。ただ、造る材料が揃ってないからどうしようかな〜って」
「そんなの僕が取ってくればいいんじゃない??情報を教えてくれたら僕行くよ」
「……かなり危ないと思うわよ」
「え、ど、どこ?」
「大体二十五層以上にある場所ばかりよ」
「…………ふむ」
?僕は顎に手を添えながら思考を張り巡らす。
?現在の最前線が二十八層。安全マージンは十分取っている。とはいえ、安心はできても油断ができるというわけではない。
?――でも、まあ、なんとかなる、かな。
?いざとなれば転移結晶使えばいいし。
「大丈夫。素材は僕が取ってくるよ」
「でも、友達を危険
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