暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
GGO編
九十二話 初心者
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
。動きから察するに、どうにもこのフィールドはコンテナがある程度乱雑に並んでいると見える。

「ソナーじゃねえし、地形は分からんが……」
しかも自分で歩くとその音がでかい上に探知地点が移動するので殆ど探知にならない。

「んじゃま、試しにやってみますか」
なるたけ音を立てないように、ゆっくりとリョウは移動を始めた。

――――

その、数分後。

「……今っ」
コンテナの角を支点とするように、リョウは構えながら影から飛び出す。
丁度攻撃目標である、“鸚哥《インコ》”という何故漢字にしたのか分からない名前のプレイヤーは右側から左側のコンテナの影に移ろうとしており、相手までの間に遮蔽物は無い。

「っ!」
「ふっ!」
ガガガガガガガガッ!!と固い音を立てながら銃口から弾丸が飛び出す。引き金を引く直前『着弾予測円(バレッドサークル)』と呼ばれる、弾着地点を示す緑色の光円が、覗き込んだ照準装置の向こうに見える灰色の市街迷彩を着た男性プレイヤーの腹を中心に現れたが、しっかり相手は円の中に入っていた。これなら。

「っち!」
「やろっ!」
しかしインコは瞬時にそこから飛びのくと、足にかすり、HPを二割ほど減らした何発かの衝撃を無視して、右側にダッシュ。リョウはそれを追って照準を動かすが……

『AGI寄りかよ……!』
相手方の動くスピードが速く、上手く当たらない。結果的にかすった数発の弾丸が更に二割ほどHPを削ったが、コンテナの影に相手が逃げ込む。そこで……

カチッ……

「ちっ!」
弾切れ。更に……

「くらえっ!」
「やだねっ!」
インコが体勢を立て直したのか銃口を此方に向けてきた。アサルトライフルだ。先程見たAKに似ているが、銃口の下にもう一つ、大きめの銃口が付いている。

『って、呑気に観察も出来ん!』
ババンッ!ババンッ!ババンッ!と、二回の銃声が立て続けに三回響く。跳びこんだコンテナの壁と、リョウが居たコンクリートの地面に二発ずつ、弾丸が命中する。

『二点バースト!?』
かなり高速の連射だ。発射された二発の弾丸の着弾点に殆どぶれが無い。三点バーストと、セミ、フルオートしか知らなかったリョウとしては始めてみる発射法だが、そうこう言っても居られない。
とりあえず隠れている間に弾倉《マガジン》を落とし、予備弾倉を叩きこもう……として……

ガツッ

『しくった!?』
まだ慣れていないせいか、あるいは柄にもなく緊張しているのか、上手く入れられずにミスる。しかも……

『?射撃が……』
こない。まだあちらはこっちが遮蔽物入ってから撃ったのを含めて10発12発しか撃っていない筈で、弾切れは無いはず……

『っ!shit!』
とっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ