第九話・外伝「蒼真と……」
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それにしても……神無ちゃんって娘は声しか聴いていないけど、弥生ちゃんみたいに可愛い娘かい?』
「えっ!?」
一瞬、襲い掛かってきたときなんかびっくりしてそれどころじゃなかったが……しかし、先ほど間近で見てみると、目が大きくてクールで華やかな印象、まさしく言動を覗いては大和撫子というような雰囲気だ。思いだせば思いだすほど、胸が痛くなりそうだ……
「まぁ……綺麗だったかな?」
『そりゃあ良かったね? そんな綺麗な人と、一晩……』
「バカ! そんなんじゃねぇよ?」
『冗談♪ 冗談♪ ま、今夜は仕事のことなんか忘れてゆっくりしていきな?』
「ああ……悪いな?」
ホログラムに表示された通信システムは消え、蒼真は遠慮なく疲れを癒していこうと大きく背伸びをした。
「蒼真殿? 風呂の準備が整った。湯が冷めぬうちに疲れを癒してまいれ?」
後ろから神無が呼びかけ、それに振り返った蒼真は、微笑んで礼を言う。
「ああ……ありがとな?」
「ッ……!」
そのとき、蒼真の笑みを見た途端ふと神無の頬が赤く見えた……しかし、気のせいだろう。夕暮れの明かりが彼女の顔を照らしたのだと、彼は軽く思いこみながら浴場へ向かった。
「おお〜! こいつぁ広いな?」
目の前に広がる広い大浴場の露天風呂はまさに蒼真好みの光景であった。霧のように湯気が立ち上り、そんな湯船にから見える白い湯を見るたびにたまらなくなった。
「いいね……早速入るか!」
軽くタライで体を洗ってから、熱くも丁度いい湯加減の湯舟へ体を沈めていった。
「くぅ〜……癒されるなぁ〜? こんなにいい風呂に入れるんだから泊まってみてよかったぜ!」
「そうか、それはこちらとて光栄だ」
「そうかい! 俺も……っえ?」
ふと、背後から聞こえた神無の声に蒼真は振り返った。すると、ガラガラと戸を開けてバスタオル越しに裸になった神無が浴場へ入ってくるではないか? それも、彼女の胸元は弥生以上の巨乳であるがため、バスタオルがはち切れそうで、今にも見えそうなくらい……
「ちょ、ちょ、ちょ……ちょっとおぉ!?」
慌てふためき、仰天するのも無理はなく、流石に蒼真でも鼻から流血を起こす寸前であった。
ちなみに、彼はクールな外見とは裏肌に女性との経験は全く皆無である……
「せ、背中を……流しに来た。背を向けろ?」
「背中? い、いや……いいって!? 自分で出来るから……」
「其方は客人なのだ。ならば、それ相応の持て成しとやらをだな……」
「そ、そこまで気ぃ使わなくていいって!?」
「いいから! 早く背を向けろ?」
「自分でやるって!?」
「ええい! 大人しくこちらに……きゃっ!」
強引に蒼真の両肩を掴もうとした矢先、床に置いてあった石鹸を踏んで滑り、彼女の纏うバスタオルは勢いによって飛ばされ、裸体のまま蒼真
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