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デュラララ!! cross,world≠異世界の狂者達の宴
不幸な不幸な幸せ
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奴を待った。
顔の半分程度を覆ったマスクのチャックを締め直し奴を待った。
抑えられない衝動を抑え、懐のナイフを取り出し自分の足に突き刺し奴を待った。
時間感覚を失った脳味噌の思考は纏まっていた。
喰いたい。
ただ、それだけだ。
本能は人格を歪ませ普段の思考を掻き消す。
まるで誰かが、耳元で囁いてる様だ。
我慢するなよ。
食えよ、喰っちゃえよ。
食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。食え。喰え。喰え。喰え。食え。
涎が垂れる。
我慢する事を我慢する。
抑えろ、抑えるんだ。
僕は、人間なんだ…………人間なんだ。
人間なら死んでるよ?
君が仮に人間なら手元のナイフは君の足を腹部を貫通し大量出血で死ねるだろう。
でもさぁー。なんでナイフは君の体を貫通しないのかな? なんで逆にナイフが折れてるのかな?
認めろよ。認めちゃえよ、そうすれば楽に成れるし気分も良いぜ?
―――――――やだ…………食べたくない。
違うだろ。
食べたくないじゃなくて《喰べたくない》だろ?
認めれば楽なのにさー。なんで認めないんだよ。
割り切れよ、僕は喰種だ。人間じゃない《喰種》だってね。
君の選択肢は2つだ。
1つ 人間を喰らって生きる《喰種》を認め生き延びるか。
2つ 僕は人間だ、と主張し人間に《喰われるか》
さぁ、どちらを選ぶ? 僕なら迷わず最初の選択肢を選ぶけど君は往生際が悪いから《まだ》選べないのかな?
それでもいいよ。まだって事はいずれは変わるんだ。
その選択肢は仮初の選択肢だ。君が自分で望んで選択肢を選ぶのも一興だ。でも、選ぶなら急いだ方が良いよー。
君の我慢の限界を超えちゃ………………待てよ。
そうだ! なんなら君が新たな選択肢を作っちゃえば良いじゃん!
僕の作った選択肢なんて普通だしつまんないよね。ならさぁ〜君の作った選択肢で君が自分の思考で選ぶんだ。
僕は君だ、君は僕だ。
君は白、僕は黒だ。
表裏一体だけど交わる事も出来る。君が望めば僕は、君は変われるんだ。
その変化は曖昧で君の思った通りじゃないかも知れない。それは僕も同じさ僕の望む僕なんて高望み過ぎて不可能だろうし。
でも、理想の僕に少しでも近付けるなら。
僕はどんな苦悩も惜しまない。僕はどんな試練でも乗り越えてやる。
だよね? 《白》金木君。
「オーイ銀さーん」
トントン・トントンとドアをノックする音。
うるせぇな〜まだ朝の10時じゃぁねぇか。健全男子ならまだおねんねの時間だ
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