十二話:狂気の笑み
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
翠屋のすぐ傍に構えた司令部にて魔法少女達はその羽を休めると共に会議を開いていた。
少女二人は途中、新しくなったデバイスについての説明も受けていたが大した時間ではない。
今、議題として挙がっているのはずズバリ闇の書の騎士達とその主についてだ。
本来であればただのプログラム、疑似生命体に過ぎない騎士達であるが今回は明らかに己の意思を持ち動いている。
そのことに疑問が尽きないが結局の所捕まえればそれは解き明かされるだろうと保留にする。
それよりも、明らかになり始めた闇の書の主の情報について纏めるべきだ。
「クロノ、まだ断定とは言えないけど、今回の闇の書の主と思われる男の特徴を教えてくれるかしら」
「はい、かあ―――艦長。見た目は白髪に浅黒い肌の背の高い男性。ただ、変身魔法で姿を変えている可能性も十分に考えられる」
「これが男の姿ね」
クロノの説明を捕捉するためにエイミィが画面に映像を映し出す。
特徴的な容姿はこちらに誤った認識を持たせるための変装の可能性が高い。
しかし、なによりも、深い深い絶望の底に居るかのような虚無の瞳がなのは達の目を引く。
これだけは変装で変えられるものでもないだろう。
「武装としては拳銃型のデバイス、恐らくはストレージを所持している。少なくとも二種類に形状変化させて使っていた。もしかすると、狙撃型も存在しているかもしれない」
淡々と実務的に話を続けていく、クロノ。
しかし、その目は自分との戦闘映像から離される事は無い。
次に遭遇した時にどう行動するべきかの作戦を既に組み立て始めているのだ。
失敗を後悔し過ぎるのは良くはないが、全く振り返らないのでは進歩がない。
次はこの経験を生かして成功に導かなければならないのだ。
「戦ってみてどうだった、クロノ」
「そうだな……一言で言うなら戦闘経験豊富な相手という印象かな」
「どんな風に?」
「単純な力押しじゃなくて、相手を仕留める為の道筋を考えた上での戦術だった。ただ、あくまでも短時間の戦闘でしかないから余り当てにしない方がいい」
フェイトの質問に地雷で目くらましにしてからの射撃、そして影からのスナイプの例を挙げる。
他にも閃光弾での目潰しの次に備えていた攻撃が止めの為の物でそれを撃ち込むことを基に作られた戦術だと分析する。
あの手のタイプは自らが狩る側に回る時は確実に相手を倒せるという算段をつけてから動く。
故に先手を取られるとそのまま後手後手に回る可能性が高い。
おまけに慎重で姿を現しづらい。非常に面倒な敵と言えるだろう。
「それと、厄介な点が質量兵器を組み合わせて使っていることかな」
「閃光弾はともかく、手榴弾は完全にアウトだよねぇ。罪状が一つ増えちゃった」
「拳
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ