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な時代に珍しいったら」
感慨深げにアゴを指でなぞります。
こぁの脳裏に浮かぶのは、数百年前の魔女たちの姿です。
彼女たちは悪魔と共に殺し、奪い、騙し、犯し、騙りました。
数々の冒涜と簒奪、そして支配の果てに燃やされ尽くした、人類より生まれいでし大いなるバグ。自然と別世界への干渉を個人単位で果たす、限りなく人間に近い人外。
幻想郷で元気しすぎちゃってるあの魔女たちとは根本から違う存在です。
その系譜が幾百の時を超えて今目の前に。そりゃあ感じ入るモノもあるってもんです。
「……ん? ってコトはおまえの親族も魔女か。こんな大掛かりな儀式してるのに姿が見えないが?」
「母たちは今ヨーロッパに。なんでも魔王様の降臨祭だとかで」
「へぇ、魔王! いやーなんか楽しくなってきちゃったなアタシ! テンション上がるなぁ!
いいぞいいぞ。今なら契約なんかしなくってもお願い聞いてあげちゃってもいい気分!」
ぱちぱちと手をたたきながらゲラゲラ笑い転げるこぁ。
そりゃあ気分も良いことでしょう。なにしろこの魔女の話が本当なら、こんな科学バンザイ時代にラグナロクやハルマゲドンあたりが本気で勃発しかねないのです。果たして生命次元の違う特殊存在に、現代兵器はどこまで有効なんでしょーか。
「あの、悪魔様?」
ひとりで笑い転げるこぁに、おずおずと魔女が話しかけます。
「こぁでいいよ。なんだいお嬢ちゃん」
「で、では、こぁ……様。あの、アナタは私の召喚に応じて現れてくださったのですよね?」
「応ともさ。なんでも言ってごらん。あ、願い叶えんのはちゃんと契約してからだけどな、もちろん。完了報酬は魂で」
さすがに、本当にタダで願いを叶えるワケにはいきません。どんなに面白いことが巻き起ころうと、こぁの行動原理は常にパチュリーのためなのです。
しかしそんな内心など知る由もない魔女が、嬉しそうに続けます。
「ありがとうございますこぁ様! で、では……その……これを」
「ん?」
魔女は着ているマントの中から、一枚の写真を取り出しました。
「こ、このヒトとですね」
「殺してほしいって?」
「いえ、そうではなくて……」
どこか照れた様子の魔女の言葉を聞き流しつつ「どれどれ」と写真をのぞきこみ、
「──────んん?」
こぁはぴたりと固まりました。
「ど、どうしたのですか、こぁ様」
「いいい、いやなんでも。そそそ、それよりそいつをどうしたいって?」
おもっくそ声が震えていましたが、なんとか抑えこみつつ聞いてみます。魔女は特に気にとめず、
「この方と……結ばれたいのです。キャッ、言っちゃった☆」
「……うわ」
今度こそこぁのアタマがパーフェクトフリーズ。
「フニャチ───こいつと?」
「はい。な、なにか問題でもありま
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