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たまかりっ! 〜小悪魔魂奪暴虐奇譚〜

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だ様式美ってのが」
「ふん、そんなフザけたクチ叩く若造の用意した料理に釣られて召喚された悪魔が何言ってんだか。しかもまだスゲー美味そうに食ってるし」
「ぐぬぬ……だってパチュリー様ってば小食な上にお肉そんなに好きじゃないから、食べる機会あんまりないんだもん……」
 悔しそうにうめきながらこぁ。しかし止まってくれない手の動きには、いささかの迫力もありはしませんでした。
「で、そろそろいいかな」
「ん」
 数分後、テーブルの上の料理たちを見事完食せしめたこぁは、ワイングラスをかたむけながら、鷹揚にうなずいてみせました。
「言ってみなお坊ちゃん。アホな様式とナメた態度はともかく、その殺意だきゃあ本物だ。興味あるねぇ」
 にやりとデビルスマイル。
 こぁがこの召喚の儀に応じたのには理由がいくつかありますが、大きなものからみっつほどご紹介。

 まずひとつ目。

 ここが現代世界……幻想郷とは別の世界であること。
 彼女としてはべつに幻想郷で大虐殺を決行してもかまいやしなかったのですが、あとあと敵対するであろう勢力を考えると非常にメンドくさいと考えたのです。
 ヘタしなくても悪魔界の神あたりと渡り合っちゃえるくらいの実力者が幻想郷にはそこそこいるので、敵に回すと厄介極まります。
 なので幻想郷の主と(一部で)名高い八雲紫に「別世界で人間の魂狩りまくってもいいかな?」と相談したところ、ワンタイムの間を置いて「いいともー!」と返ってきたので実行に移したわけです。

 ふたつ目。

 どうせ魂を狩るのなら質の高いものを選別するのが効率的です。アダルトな女の冴えたやり方ってやつなのです。
 なので、こぁは悪魔界に古くから伝わる風習『契約と詐欺詐称、そして永遠へ……』を利用することにしました。
 つまるところ、「悪魔と契約して願いを叶えたんだからその代償として命もらうでぇぐえっへへへ」なアレです。しっかりと手順と代償を説明して合意の上で命を賭けさせないと発動しないので、詐欺詐称ということもないのですが、そこは悪魔としての矜持の問題らしいです。

 そしてみっつ目。これが重要。

 なによりも必要なのが本人のやる気です。殺る気と書いてもかまいません。むしろ歓迎。
 今時、人を殺すことなんてびっくりするくらいに簡単です。車で轢いても電車で弾いても殴っても蹴っても刺しても叩いても死にます。自分から死んだりなんかもします。
 他にもいろいろあると思いますがいちいち口にするのもメンドウなんでわかってる人よろしくどうぞ。
 別段、現在現代に限った話ではありませんが、人の命なんて虫けら同様かんたんにぽっきりイクもんです。昔っから人の命なんて風船みたいなもんでした。
 そんな世界で、わざわざ悪魔なんているかいないかも定かでない存在を呼
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