暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Online 月に閃く魔剣士の刃
18 一件落着?

[8]前話 [2]次話
件名:プレイヤー1名がゲームから切り離された現象について
本文:12日前、特定のプレイヤーが生存しているにも関わらずSAOから切断されてしまう現象が発生しました。
 原因は該当プレイヤーが出力していた情報量の多さに耐えきれなくなったナーヴギアの熱暴走です。
 現在、現実世界にて該当プレイヤーのナーヴギアのアップデートを行っております。
 なお、この現象が他プレイヤーに発生などの如何なる影響も与える事はありません。

「これがシュンが消えた事についての運営からのアナウンスだ。これを見る限りじゃなんとも言えないが、恐らくはアイツは戻ってこれると思う」

 そう言って手元のコップの水を飲んだのはキリト。
 今朝方、全プレイヤーに一斉送信されたGMメッセージを見て、キリトが寝泊まりしている宿屋のレストランにはアスナやクラインに加えてミーティアが集まっていた。

「じゃあ!」
「うん、多分大丈夫だと思うよ。にしても、ナーヴギアがスペック不足になる程の負荷ってどんなだよ……」
「案外、ナーヴギアってのも大した事無いのかもな! いやー、それにしたって良かった良かった!」

 ぱあっと明るくなるミーティアを見てコチラまで釣られて微笑む。
 それにしてもアイツの引き起こした事に改めて呆れてしまう。流石にあのスペックを処理落ちさせるとはどういう事なんだ……。
 アスナも笑っているし、ミーティアも落ち着いたようで、そんな二人を見て俺は横にいるクラインとグータッチをした。
 こういう時にクラインの顔の広さは頼りになる。コミュニケーションにも長けているし、あの気安さは実際付き合いやすい。
 特にミーティアに関しては、アスナによるとそれはそれは酷かったようだったのでひとまず一件落着って所だろうか?
 それにしても……

「なあ、クライン。ミーティアってさ――」
「だよなぁ、シュンのやつ、羨ましいなぁ……」

 確かにこんな可愛い女の子に好かれるなんて羨ましいよなぁ、と思ってしまう。まあ、俺だって男だしな。

「と、言うわけでそれだけだ。俺はもう行くよ」

 軽く声だけかけて席を立つ。取り敢えずはみんなとレベリング、かな。
 少し前から入ったギルドの面々へメッセージを飛ばしながらキリトは転移門へと歩いていった。鼻唄混じりでとても楽しげに。少なくともその姿に、現状が崩れる事への恐怖は見受けられない。
 今度は自分が同じ目に遭うとは、仲間が取り返しのつかないことになるとはこの時の彼には知りようがないのだから。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ