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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico38-B竜の終焉 〜Angel Overthrown〜
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襲った。天使はすぐそこまで来てて、ルミナを貫いたものと同じ真っ赤な三叉槍をすでに振りかぶってた。リインが「はやてちゃん!」わたしに覆い被さってきた。このままやとリインまで居らんくなってまう。わたしはほぼ無意識にパンツァーシルトを四重展開。三叉槍が1枚目を一瞬にして砕く。2枚目もまた一瞬、3枚目も同様。4枚目は2秒くらい保ったけど、やっぱ砕けた。

「あ・・・」

まるで世界のすべてがスローになったような感じの視界になる。リインの肩越しに見える三叉槍の先端。そんで横から突き出されてきた誰かの握り拳にされた右手。誰の? その答えは、手首にある漆黒の腕輪が示してる。

「ルミナ・・・?」

「へ?・・・ルミナ、さん・・・?」

スローの世界の中でわたしは見た。死んでしもうたはずのルミナが天使の三叉槍を殴って弾き飛ばして、左の拳で天使を殴り飛ばしたんを。わたしとリインを護るように立ち塞がってくれる「ルミナ・・・」の傷が無くなってる背中に声を掛ける。元の速さに戻った世界の中、ルミナはチラッとわたしとリインを見て・・・微笑んだ。

「判らないものね。終極と恐れられたテルミナス(わたし)が、殺すほどに大嫌いだった人間を護るだなんて」

ルミナがボソボソってなんか呟いた。なんて言うたか訊ねる前に「ニンゲンンンン!」天使の怒声が大気を震わせた。

「はやて、リイン。この場から離れて。巻き込まない自信が無いの」

「あ、え、う、うん・・・!」

「ありがとうです、ルミナさん!」

元のサイズに戻ったリインと一緒に逃げ出したところで、ガキィーンって金属を打ち合って鳴らしたような音が背中に届く。聞き覚えのある音や。ルミナの2つの腕輪・“ツァラトゥストラ”を打ち合ってる音や。

「Fortitudo in laboribus periculisque cernitur」

――勇気は勤勉と危険とにおいて――

ガキィーン。

「temperantia in praetermittendis voluptatibus」

――節制は快楽の忘却において――

ガキィーン。

「prudentia in delectu bonorum et malorum」

――知恵は善悪の識別において――

ガキィーン。

「justitia in suo cuique tribuendo」

――正義は各人にその権利を帰することにおいて認められる――

ガキィーン! 今まで以上に高い金属音が聞こえた。振り返ってみると、「ま、悪くないけど。こんな生き方も・・・ね!」“ツァラトゥストラ”が飴細工のように融け合って、全く別の物に変わった。

「「十字架・・・?」」

腕輪やった物が2mくらいの長さな漆黒の
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