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DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
世の中、怒らせてはいけない相手が居る。
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真夜中と言っていい時間に、私達はランシールの宿屋へと入って行く。
この町に来て直ぐに部屋を確保しておいたので、根本的には問題ないのだが、それでも宿屋側は嫌な顔をして迎えてくれた。

本来なら“お互い様”って事で、無視して部屋に直行すればいいのだが、空気を止まない男が一言…
『うわ、愛想悪っ!』
誰の言葉かは言わないけどね………


みんな漏れなくお疲れモードだったので、無駄話をすることなく割り当てられた部屋へと入って行く集団。
そんな中、一番疲れているはずであろう二人が、イチャつく事を憚らず1つの部屋へと入って行くのを見逃さない私。

その部屋の隣を使用している私は、連れ込んだ彼氏(ウルフ)に事情を説明し、共に聞き耳を立て隣室の音声を収集する。
最初は何やら会話をしていたが、それ程経過しないうちに喘ぎ声へと変化していく…

このチャンスを逃すわけには行かぬと、慌ててウルフと共に廊下へ出て、隣の部屋の扉を少しだけ開け、中の状況を観察する私達。
多少は薄暗いのだろうと想像するも、予想は裏切られ煌々明るい中お二人は事に励んでいた。
優しく重なる唇は、次第に激しく互いを求め、二人の両手は、お互いの身体を撫で回し合い、そして………

室内の様子に熱中していると、後ろに人の気配を感じ慌てて振り向いた。
そこにはお父さんが腕を組んで睨み付けている…
「な、何…?」
もうちょっとでお兄ちゃんは自分の○○○をアルルさんの○○○へねじ込む瞬間だったのに、見学を邪魔するお父さんにイラッとくる私。

「『何?』じゃない…部屋に戻れ馬鹿者が!」
あれ?
もしかして怒ってる?
どして?

「ティミーとアルルの恋路の邪魔をするんじゃない!覗かれていると知ったら、あの二人の関係が進まなくなるだろが!」
どうやらお父さんは、お兄ちゃんとアルルさんが初めてする事に感付いた様で、覗いてる私達を咎めに来たみたい。
宿屋側の空気は読めないクセに、息子カップルの微妙な変化には目聡いわね…

「あ、あのねお父さん…私達、参考の為に見学させてもらってるのよ…だ、だがら…」
「お前等の方が何十歩も先を行っているんだ…見学の必要は無い!部屋に戻って腰振ってろバカ!」
私もお父さんも声を潜めて喋っているが、どうにも迫力に違いがありすぎて、言い訳が思い浮かばない。

「言っておくが俺の部屋はここの真下だ…お前等の行動は直ぐに分かるからな!」
私もウルフも何も言えず、ただ黙って部屋に引き返すだけだった…
すんげー怖かったよー!
だって娘に対してマジ切れしてんだもん…一人称が“俺”になってんだもん!!(涙)

隣室からは甘い喘ぎ声が…
私は愛する彼氏と部屋で二人きり…
しかもベッドの上で抱き合っている。

本来ならリビドーだ
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