地雷
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再び両腕を失い、脅威が半減した事になる。
今の攻撃……狙いがファーヴニルだったのは彼女の理性がちゃんと働いていたからだけど、もしもこの状況じゃなかったら……万が一敵対していたら、その銃口は私に向いていたかもしれない。あれほどの一撃は、カートリッジを使ったプロテクションでも防ぎ切れない威力を誇っている。なのはちゃんのSLB並みに喰らいたくないなぁ……。
「マキナちゃん……どうして……」
『少し黙ってて……!』
私の質問を封じたマキナちゃんはこれ以上怒りに身を任せないように精神を抑えながら、震える手でポケットから何かの錠剤を取り出して飲んでいた。錠剤のビンのラベルに“ジアゼパム”と書かれているのが見えたが、私にはそれが何の薬なのかわからなかった。
「えっと……だ、大丈夫……?」
『……八神に心配される程ヤワじゃない。でもね……たった今、私は八神の事が大嫌いになったよ』
「やっぱり……私、何か気に障ること言ってもうた?」
『盛大にね……。逆鱗を思いっ切り力任せに逆撫でされた気分だ。サバタ様から色々な事情も聞いてるから元々八神の事は嫌いじゃなかったんだけど、今の台詞で一気に嫌いなタイプだと認定した』
「そんな……私、一体何をやらかしたの? 一体何が……マキナちゃんの逆鱗に触れてしもうたの?」
『自分で考えて。八神が選んだのは周囲をイバラに囲まれた道……そこで生きていくためには、常に自分で進む道を考えていかなくちゃ駄目なんだよ。今の浅はかなままじゃ……いつか誰かに殺されるよ?』
「ッ……! それは……マキナちゃんも入っとるの?」
『サバタ様との約束もあるから余程の事情が無い限り、八神の命を狙うつもりはない。道を間違えたなら根性を叩き直すつもりではあるけど、基本的に関わらないスタンスで行く予定だ。私と八神の居る世界は、既に異なるのだから』
「もう……何を言っても駄目なんか? 私達と一緒にいてくれるように、考え直すのは無理なんか……?」
『しつこい、これ以上その話を繰り返すならまた怒るよ。……治療は一応済んだけど、戦えるまで回復した訳じゃないから、八神は大人しくここで寝ていて。私は別のポイントで、皆の援護を再開する。じゃあね、夜天の最後の主』
さっきまで呼ばれていた“八神”ではなく、“夜天の最後の主”と呼ばれた時、私はマキナちゃんとの間で決定的に大きな溝が出来たような……そんな感覚を味わった。窓からベランダに出て飛行魔法で飛んでいった彼女の後ろ姿を、痛みは引いたがぐったりして力が入らない身体で見つめ続けるしか出来なかった。手を伸ばそうとしても……彼女の背中に全く届かなかった。
「……いつかは……届くんかな……?」
いや、どれだけ時間をかけてでも届かせないとあかん。サバタ兄ちゃ
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