地雷
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る。闇の書自体から呪いが無くなった所で、私達を取り巻く呪いまで無くなってはいないんだ。私が言いたいのは要するに、腹黒い連中や心無い連中だけじゃなくて、真っ当な人間からも中傷や不平等な扱いを受ける覚悟があるのかって話。次元世界や管理局にいる限り、時には四面楚歌な状況に放り出されたり、かつての私達のような目に遭う可能性もあり得る。運が悪ければ死ぬかもしれない妨害を立て続けに受けて、それでも八神はその意志を貫けると言い切れるのかって訊いてるんだよ』
「言い切れる! 絶対に貫いて見せる! 困難な道のりなのは百も承知、それでも私は諦めずに戦い抜いていく! もし道に迷っても、友達が支えてくれる! くじけそうな時も、ずっとサバタ兄ちゃんが傍にいてくれる! 皆一緒にいれば未来を変えることだってできる! だから――――」
大丈夫や。そう宣言しようとした瞬間、マキナちゃんから漂う雰囲気が一変した。さっきまでの私を案ずるが故の怒りとは違い、もっと根本的な部分からの……そう、憤怒とも言い表せる感情が発せられた。もしかして……地雷踏んだ?
『今……何て言った? ずっと? ずっとサバタ様が傍にいてくれる!? ふざけるな!何も知らないくせに……! 何もわかっていないくせに、これ以上サバタ様に甘えるなッ!!』
「え、ま、マキナちゃ……?」
『八神……あなたは闇の書の罪と向き合うって、自分達の力で乗り越えるってサバタ様に宣言したよね!? 困難な目に遭っても、自力で立ち向かうって覚悟を示したんだよね!? なのにまだサバタ様を頼る気!? あの人にまた負担をかけさせるつもり!? いい加減にして……もうサバタ様に心配をかけさせないで!!』
「そ、そんなつもりはあらへん! ただ私は……!?」
『うるさいッ!! これ以上私の前で……そんな甘ったれた言葉を口にするなぁあああああ!!』
「ッ!!?」
怒号らしき言葉を上げながら、少しでも怒りを晴らすべくマキナちゃんはレールガンを構える。なぜこうなったのか状況が読めない私は訳もわからずに見つめる事しか出来ないが、一つ見逃せないものがある。彼女のレールガンが見覚えのある淡い白色に輝いているのだ。この色の光は月の力が発光する時に見れるもの……もしかしてマキナちゃんは、怒りで月のエナジーを覚醒させたのかもしれない。彼女をそれほど怒らすなんて、私は一体何をしてしまったんや?
『トゥルードリーム!!』
直後、レールガンからエナジーが集束された青白いビームが窓の方に発射され、遠くで進攻を喰い止めていた巨大な質量兵器の合間を縫って、ファーヴニルの左腕のウィークポイントに直撃した。王様達がある程度損傷させていたのもあって、今の一撃は決定的なものとなり、左腕が根元から文字通り引き千切られた。結果的にファーヴニルは
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