地雷
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!!」
私と王様は展開している本の向こうから来る力を、全力を以って受け止め続ける。一度跳ね返すまで耐え切ったのもつかの間、またしても薙ぎ払いが迫って来て、再び受け止める羽目になる。何度も何度も受け止めてその度に周囲に防御魔法の魔力が拡散していく中、それでも私と王様は耐え続ける。
「存外耐えるではないか。だが……そろそろ限界であろう?」
「まだまだ……! このぐらいで負けてられへんわ!!」
そうやってやせ我慢の雄叫びを上げる私やけど、どうしても限界というものは存在していて、私の身体中の骨という骨、筋肉という筋肉が悲鳴を上げ始めていた。対して王様は体力も負担も全然余力が残ってそうやったが、私の場合は特に足が不味かった。まだ強化無しでは一定距離を歩くだけで疲労が凄まじい私の足は、こういう長時間踏ん張って耐える状況下には厳しいものがある。そして……私の意思に反して、足の筋肉が限界を迎えてしまう。
ガクンッ……!
「しまっ!?」
体勢が崩れて夜天の書の展開が出来なくなる。バランスが崩壊した事でファーヴニルの左腕が一気に迫り、その反動で私の身体はとんでもない勢いで後方に吹き飛ばされてしまった。
「たわけ小鴉ぅううう!!」
ウィ〜ン………チュドォォォン!!!
半分キレた様子で王様が怒鳴ったが、私自身正直すまないと思っている。吹き飛ばされていく状態で何とか見えたのは、さっきまで私がいた場所に電子音が響いてくる強力な質量兵器の一弾が直撃し、今のフォローのおかげもあって王様はすかさずてこの原理を利用し、ファーヴニルの左腕をすくい上げて上に逸らしていた。同時に金色に輝く人型のナニカが大量に左腕へ突っ込み、盛大な花火が発生してファーヴニルを大きくひるませていた。その結果、私のミスで王様やゲンヤさん達が薙ぎ倒されるのは何とか防がれたようだ。
そして私の身体はそのままの勢いで戦線からかなり後方にある市街地の展望台の柱に突っ込んで小さなクレーターを作り、柱が折れる程の衝撃を受けてしまった。あまりの威力で吐血してしまうものの、危うく飛びかけた意識を何とか堪えて取り戻す。
しかしアースラの甲板上から大量の砲撃魔法を使い、ファーヴニルの反撃から何とか生き残るために飛行魔法を総動員し、ゲンヤさん達を守るために防御魔法を繰り返すという、立て続けの連続使用で魔力をほとんど消費してしまっている。その上、今の痛恨の一撃を受けた事で私の身体はほぼ動けなくなるまでの大ダメージを負ってしまった。そのせいで為すすべなく、へし折れて崩壊した展望台と共に落下する。どうにか飛行魔法を使おうとしても身体の節々が異常に痛んで全然動かせず、頭からコンクリートの大地に直撃しようとしていた。そして……地上まで数センチの際どい所で、誰かが私の身体を抱えてくれた。
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