§38 宿命の二人
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きー? いや違う。みっきーなら恵那の方から連絡が来るはず)
そこまで考えて、ふと思い出す。自分はなんのために飛行機で呼び戻されたのか。その件についてはまだ話されていない。
「……あぁ。この中で待っているのが護堂とガチンコやらかして僕の家を廃墟にしてくれやがったお方ですね」
敬語、敬語と必死に冷静に対応しようとするが言葉棘は隠せない。隣の甘粕が引き攣った笑みで返答をする。
「え、えぇ……そうですね」
「護堂は何処に?」
日光東照宮と言っていたがどういうことなのだろう。あそこの封印が解放されたのだろうか。
「日光東照宮が大規模な襲撃を受けまして。いくつかの情報を総合するとそれがどうもヴォバン侯爵らしいんですよねぇ」
「侯爵様が、何故?」
封印してある”アイツ”を、見つけ出したというのか。アレは見つけられないように何重にも厳重な隠匿結界を張っておいた筈だ。いかに魔王といえどもよっぽどのことが無ければ気付けないような。
「我々もわかりません」
お手上げなんですよねぇ、などと言う彼を見て黎斗の中に疑問が生まれる。正史編纂委員会もヤツの事は知らないようだ。知っていればこんな悠長に話している筈などない。正史編纂委員会ですら把握していない現状、どうやってヴォバンがその情報を知り得たのか。そこまで考えて思い出す。日光東照宮には誰が居る――?
「――ッ!? 恵那は!? 恵那は無事なんですか!?」
「落ち着いてください黎斗さん。おそらく無事です」
食って掛かるように恵那の安否を問い詰める。我に返ると少し恥ずかしい。
「……あ、す、すみません」
「恵那さん経由で護堂さんは移動されました。ウルスラグナの”風”の権能ですね」
なるほど。それならば大丈夫だ。護堂が行くまで耐えたのならもう大丈夫だろう。恵那も無闇に突撃はしない筈だ、多分。護堂が入れば死ぬことも無いな、と少し安心する。
「んじゃまぁ、我が家をズタボロにしてくださった御方を眺めるとしますかね。……そういえば高木達はどうしたんですか?」
我ながら扱いが恵那と比べて酷いがこんなもんで良いだろう。加えて言うなら甘粕が何も話してこないし、無事な可能性が高い。それにしても魔王相手にセクハラなどと勇者過ぎる。最も、勇者ならセクハラはしないか。鬼畜眼鏡。鬼畜王。色々な単語が脳裏に浮かぶがどれも彼らを示す言葉にはなり得ないな、と苦笑い。
「……いや勇者は仲間にエッチな下着装備させるからなぁ。称号としては最重要候補か」
「?」
「あぁ、なんでもありません」
口をもごもごして言ったせいか甘粕でも聞き取れなかったようだ。よかった。もし聞かれて大真面目に議論する展開にな
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