第17話
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て、来客用の部屋まで荷物を運んだ。
「かずみさん。荷物と言うのはそれだけですか?」
「はい。」
私は着の身着のままトランクに詰められちゃったから、荷物は聖夜学園で貰った教科書と制服だけだ。
「おかしいですね。司さんは着替えは下着以外は大丈夫だと言っていましたけど・・・?」
そうおばあさんが首を傾げていた時だった。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴ったのは。
玄関のチャイムが鳴ってから少し経った後、部屋の戸が開いて1人の女の人が入って来た。
「失礼します。」
「瑞恵さん。どうかしましたか?」
「唯世あの人は?」
「僕のお母様だよ。」
私の質問に唯世はそう答えた。お母さんか・・・そう言えば“人造魔法少女”の私にそう言うのは・・・
「実は、歌唄ちゃんが久しぶりにうちに来たんです。」
「歌唄さんがですか?」
「はい。何でも、司さんからの頼まれ事で来たとかで。」
私が物思いにふけっていると、いつの間にか話が進んでいた。そして、部屋の中にダンボールを持った人陰が入って来る。
「ええ!?」
それを見て、私は大声を出して驚いてしまった。何故なら、入って来たのはプレアデス聖団の中にもファンが居るアイドル、ほしな歌唄だったから。
「歌唄ちゃん。どうしてここに?」
そんなほしな歌唄に唯世はなんとちゃん付けで親しげに話しかけた。
「さっきあなたのお母さんが言ったでしょ?あなたの学校の理事長に頼まれ事をされたのよ。」
「司さんが?でも、歌唄ちゃんに何を・・・」
「ちょっと唯世!これどう言う事!?何でほしな歌唄がここに!?って言うか、何でそんな仲よさそうなの!?」
「お、落ち着いて昴さん。僕と歌唄ちゃんはその、幼馴染みで・・・」
幼馴染み!?美形で生徒会長なだけじゃなくってアイドルと幼馴染みとかどれだけ恵まれてるの!?
「それで、歌唄ちゃん。司さんからの頼まれ事って何かな?」
「そうね。一応確認するけど、そこのチンチクリンが昴かずみで合ってる?」
「チンチクリン!?」
「うん。そうだよ。」
「唯世!チンチクリンってトコは否定してよ!!」
「そう。それで、頼まれ事って言うのは彼女にこれを渡す事よ。」
文句を言う私を他所に、ほしな歌唄は持っていたダンボールを差し出して来た。私はそれを受け取ると、畳敷きの床の上に下ろしてフタを開けた。そこに入っていたのは・・・
「服?」
「そうよ。あなた、着替えが無いんでしょ?」
「でも、こんなに貰うのは悪い気がするんだけど・・・」
「大丈夫よ。それ、私のお下がりだから。」
「へ?」
ほしな歌唄の言葉を私は一瞬理解出来
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