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悪魔───否、天使───いいえ、もっと、もっと素晴らしい存在である貴女が、自らの力をおとしめてしまうなんて、私には耐えられないの」
「……どういうことです?」
「こぁ、貴女には力がある。“小悪魔”なんてか弱い存在のままで終わっていい女ではないわ! 貴女なら“大悪魔”、いいえ、もしかしたら“堕天使”にだって負けない強さを身に着けられるかもしれない!」
こぁは息を呑みました。
パチュリーの瞳が、真剣そのものだったからです。
「私の目に狂いはないわ。こぁ、貴女にはそのくらいの潜在力を感じるの……!」
「わたしに……そんな力が……」
こぁはわなわなと両手を震わせました。
たしかに、自分は今の環境に甘えていたのかもしれないと思ったからです。
パチュリーとの蜜月は、狂おしく愛おしい日々。比類なきエルドラドがうんぬんかんぬん。
ポエミーな自己暗示はあっという間に脳内で完結したようで、こぁはパチュリーの瞳を強く見返しました。
「任せてくださいパチュリー様! こぁは、こぁは必ず、パチュリー様に相応しい使い魔になって戻ってきます!
具体的にはとりあえず人類絶滅させて魂奪い尽くす方向で!
「嬉しいわこぁ! 特に詳細を話したワケでもないのにそこまで読んでツーカーな答えを出してくれるなんて!」
二人は感動にむせび泣きました。そしてまた抱き合いました。全裸で。
それはそれは長いことイチャついた後、こぁはようやく旅支度を整えました。
「では、こぁは少しのあいだ旅に出ます。パチュリー様を置いて行くのは心苦しいですけれど……」
「いいえ、私はこぁを信じてる。貴女なら一週間とかからず世界を血に染めて帰ってくるって。……キスもハグもガマンしてみせるから!」
「そこまでの決意をわたしなどのために……愛しています、パチュリー様!」
「私もよ、こぁ!」
こうして、『こぁの魂狩り一人旅・残虐ファイト待ったなし』編がスタートするのでした。めでたしめでたし。
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