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───時は20時間ほど遡ります。
「ん〜……」
ごしごしと眠気の取りきれない目をこすりながら、稀代の魔女、パチュリー・ノーレッジはふかふかのキングサイズベッドから身を起こしました。
素っ裸で。
ほんの数時間前まで、使い魔である『こぁ』と、夜通し裸の睦言を繰り広げていたため、ほんのりとした汗の香りがただよいます。
───幻想郷は紅魔館・地下の大図書館。
その奥に位置するパチュリーの居住スペースがここです。
「こぁ?」
パチュリーはきょろきょろとベッド周りを見回しました。愛しの使い魔の姿がないからです。
あれだけ熱烈に可愛がってあげたにもかかわらず、彼女はパチュリーと目覚めを同じくしなかったようです。
「ちぇっ。寝顔を拝めなかったわね、失敗したわ。───こぁ!」
先程よりも幾分か大きめの声で使い魔を呼び出します。数秒もせず、部屋のドアを開いて彼女が姿を現しました。
「おはようございますパチュリー様! 朝ごはんの支度、できていますよ」
「おはようこぁ。……貴女は働き者ね」
部屋に訪れた愛らしい少女を、パチュリーは愛おしげに見つめます。
昨夜の乱れようがウソのように振る舞う、清純という言葉をそのままカタチにした、天使な美少女。いや悪魔なんですが。
ともかく、それが古よりの大魔法使い、パチュリー・ノーレッジの誇る、唯一の僕なのでした。
「でも先に服を着ないとね。手伝ってくれるかしら」
「はい、喜んで」
美しい裸体を隠すこともせず、パチュリーはベッドから立ち上がりながらそう告げ、こぁはその命令を嬉しそうに受諾します。
これが、彼女たちのいつもの朝。
「───その前に」
「はい? ……あ、んっ」
無防備に近づいてきたこぁの手を取り、引き寄せます。少しだけ驚いてみせる彼女の唇を、パチュリーさんは当然のように奪いました。
「ん、ン……んふっ、パチュ、ん───んんっ」
「朝のあいさつを済ます前に家事なんて貴女らしくないミスね、こぁ? ん、……」
静寂に満ちた室内に、唾液を交換する音だけが響きます。
だんだんとこぁの肢体から力が抜けていきますが、パチュリーは気にもとめません。ついにこぁの膝から力が抜け、柔らかなベッドに倒れ込みました。キシ、と欲情をかきたてる音がパチュリーの耳に届きます。
「お仕置きが必要よね、こぁ?」
「は、はい……お願いします、パチュリー様」
こぁは頬を瑞々しい桃のように染めてそう返事をしました。どうやらスイッチが入ってしまったようです。
パチュリーは嬉しそうにうなずき返してから、こぁの服のボタンに指をかけ──────
「うん、今日の朝食も美味しいわ。さすがね、こぁ」
「は、い……ありがとうございます、パチュ、リ、様……」
平然とコー
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