Fate/stay night
1140話
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ろう。堂々とその名前を口にする。
「貴方は正直危険よ。宗一郎様であっても、貴方を相手にすればあっさりと沈むでしょう。ですから……悪いけど、ここで大人しくしていて貰うわ」
「さて、簡単にそっちの言う事を聞くと思うか?」
視線の端で、葛木を相手にして凛と綾子の2人が戦っているのを見ながら、言葉を交わす。
半サーヴァントと言える身体能力を得た綾子だが、幾らスペックが優れていようとも経験の差はどうにもならない。長刀で何とか戦ってはいるが、防戦一方だ。
凛の魔術で牽制しているからこそ、何とか互角に近い状況に持ち込めてはいるが、それでも7:3、あるいは6:4くらいの割合で凛達の方がピンチだ。
……そう、信じられないことに、見て分かる程に葛木が実戦慣れをしているのだ。
幾らキャスターの魔力で強化されているとしても、あの強さはどう考えてもただの教師のものではない。
このまま戦闘が続けば、葛木に軍配が上がるのは間違いないだろう。
「ふふっ、馬鹿ね。わざわざこちらの手札を教えると思う? けど、そうね。私に降るのであれば貴方のマスターの命を見逃してあげてもいいわよ?」
葛木の強さに対して絶対の信頼を寄せているのだろう。笑みすら浮かべてそう告げてくるキャスター。
ちっ、これなら俺が葛木を相手にして、凛と綾子がキャスターを相手にするのが最善だったな。
けど、そうと分かった以上……
「そんな馬鹿な真似をすると思うか? やるべき事が、お前を倒してから葛木を倒すという事に変わっただけだ。それに……俺が、お前と葛木の2人を相手にしてどうにか出来ないとでも思ったか!」
その言葉と共に地を蹴り、一気にキャスターの懐へと飛び込む。
だが、向こうもそれは読んでいたのだろう。以前のようにローブを広げながら空中へと浮かび上がる。
同時に放たれる無数の魔力弾。
雨霰と降り注ぐ魔力弾だが、本当の意味で雨の如く無数に降り注いでいる訳じゃない。
その大きさは当然雨粒のように小さくもなければ、回避する事が出来ない空間的な余裕がない訳じゃない。
そのほんの少しの隙間を敏捷性の高さを活かして回避し、あるいは念動力で危険のない場所を察知しては、そこへと移動していく。
もっとも、幾ら回避出来てもこちらの攻撃は格闘である以上は届かない訳で……
「スライムッ!」
俺が叫ぶと同時に、空間に穴が開き、そこからスライムが姿を現す。
「出たわね。けど、私がそう簡単にやられると思って貰っては困るわ!」
キャスターの叫びと共に、今までと比べてもより一層濃密な数の魔力弾が放たれる。
一撃一撃の威力も高いその攻撃は、確かに制圧射撃として考えれば相当の効果を持つのだろう。
だが、例え一撃で地面を陥没させる程の攻撃
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